大阪市に原発を
美浜原発の事故はこわかった。テレビの速報を見たとき「どうやって逃げよう」と瞬間的に思った。放射能漏れがないと聞いて安心したが、人が亡くなったのに安心するのも酷だ。
核兵器にしても原発にしても、"抗いようがなくその場で瞬間的に殺される"感覚を抱かせる。そういうものと共存する気持ち悪さはおそらく戦時中に似ている。明日まで生きていける保証は誰にもできない。
今回の事故で亡くなったのは下請け会社の人で、コマーシャルで「気をつけて守ってます!」と言っている関電の社員ではない。責任をとるべき人がいつも無傷なのが、どうにも腹が立つ。……という私も、大阪市内でぬくぬくと電気を使いまくっているわけだから、関電の社員と大差はない。
広瀬隆の二番煎じではあるが、大阪のまん中に原発をつくってはどうか。関西電力本社の中に大プラントを構えるのだ。重役は必ず原発内を通って出社するように、また収入に応じて定期的に現場作業をするように義務づける。この場所に原発があれば、否が応でも市民の関心は高まるだろう。廃熱利用もできるし、送電設備や電力のロスもなくせる。関電の隣は朝日新聞社だから、いつでも取材できる。
事故が起こった場合の死者は増えるかもしれないが、どうせ大事故が起こればみんな助からないのだ。技術的な欠陥を追求するのも必要だが、責任者が直接危険を負うようにするのがおそらく一番効果的だ。(2004/8/12)
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