17年目の宿題

 大学院ではどん底の落ちこぼれだった。途中から「何のために研究をするのかわからない」という状態に陥り、まわりのスタッフに迷惑をかけまくりながら2年間を過ごした。京都の塾でバイトをし、授業が終わってから京都駅に自転車で走り、最終の湖西線に乗って坂本の実験所に行き、夜中に顕微鏡仕事をして、朝方京都の下宿に帰って寝る……等々、ムチャクチャな生活をしていた。1年間フィールドで調査をし、目がパンダになるくらい顕微鏡とつきあい、一応学会発表もしたのだが、論文と呼べるようなものが仕上がらず、文章は書いたもののお蔵入りになったまま時間が流れた。
 当時最も面倒をかけた恩師が一昨年定年退官となり、あいさつに行った時「あのデータが埋もれるのは惜しいので、なんとか短報の形でも出したらどうか」と言われた。税金を使って勉強させてもらっていたのだから、どんなにいい加減なものでも証拠を提出するべきなのは自分でもわかっているので、とにかくデータを今のパソコンにあげて書き直すことにした。読み直していると、自分の思い込みで書いている部分が多すぎ、逆に必要な考察ができていない。削るのは難しくないが、足りないところをつけ加えるのがどうしても難しい。ここ3ヶ月文章をにらんでいるのだが、未だに仕上がらない。どうしたらいいやら。
 調査の方法がかなりいい加減なものなので、正式な形で出せるかどうかもわからないのだが、先生曰く「この種類の調査は今でも行われていない」そうなので(17年もたっているのに!)、やらないよりはましかとも思って、来年中にはモノにしたいと思う。ここに書いてしまえば翻せない……はずなので、自分を追い込むためにHPを利用させてもらいます。修士論文の簡単な紹介はこちら(2004/12/30)


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