テレビとラジオ

 テレビを壊してしまった。ものを投げつけてブラウン管にヒビが入り、もうボンヤリとしか映らない。せっかくケーブルにも入ったのに。
 ……というのが2ヶ月くらい前のことで、ケーブルも解約しテレビのない生活を送っている。またNHKの人が来たが「テレビはありません」と言うと、あっさり帰られた。
 ケーブルテレビを見ているときは、番組表とにらめっこしては録画して見る、の繰り返しで、正直なところテレビに振り回されていた。『あかんたれ』『ER』『宇宙大作戦』『クッキ』『レインボーマン』『サスケ』あとはアメフトと野球。妻は『愛と誠』『コメットさん』『サボテンとマシュマロ』『我ら青春』といった古いドラマを好んで見ていたが、ヘルパーの仕事や習い事が忙しくなってくるとあまり余裕がなく、録画したテープがどんどんたまっていて「いつになったら見れるかね」と笑っていた。
 2ヶ月たった今、テレビがないからといって困ることはほとんどない。ERとあかんたれは見たかったが、見ないと気がすまないというものでもない。妻は「ヘルパーの仕事先で話題に合わせるために、少しはテレビネタを持っていた方がいいか」などと言っていたが、特に困っているというふうでもない。時間が余った感じになって、パソコンをみたり本を読んだりする時間が増えた。この時間を有効に使えればテレビを壊した意味もあるのかな。
 ケーブルはとにかく、福岡の民放テレビはまったく面白くなかった。このところはラジオを聞いているが、同じRKB(TBS系)でもテレビよりラジオの方がよほど面白い。お昼の「歌謡曲ヒット情報」をよく聞くが、仲谷一志さんのしゃべりはとても面白い。劇団を主宰している役者さんなのだが、まず声がすばらしい。この番組は3人のおしゃべりがメインなのだが、仲間内でからかい合うことはあっても、テレビでよくあるような他人の悪口を言うことがなく、品も悪くない。長い間の経験からくる余裕がいい方に出ているのを感じる。夜の番組も担当されているが、昼とはペースを変えながら相手にかかわらずいい声を聞かせてくれるのが気持ちいい。(ここで声を聞いてみてください)ここに書かれている演劇についての考え方にも共感できる。福岡にいるうちにぜひ演技を見てみたい。
 ラジオナイターの後の「ホークス歌の応援団」のDJをしている鬼橋美智子さんもなかなか魅力的だ。スポーツの地元びいきはあまり好きではない(関西メディアの阪神びいきもイヤ)が、この人は心からホークスを応援しているのがわかるので、聞いていてイヤミがない。ラジオで長い間外回りをしてきた経験がうまく活かされているのがわかる。声もかわいくて元気がよく聴きやすい。
 一方妻はNHKの「ラジオ深夜便」を好んで聴いている。先月は、私も好きな加賀美幸子さんの朗読を2人で楽しんだ。妻は朗読を習っているので、加賀美さんや松平さんの朗読が勉強になるのだろう。番組の雑誌を買ってきて読んでいる。私も本当は発声や読み方を学ぶべきなのだが、そこまで考えて聴く余裕はまだない。でもホントにNHKのアナウンサーはうまいなあ。一部の一流アナウンサーだけにならお給料(受信料)を払ってもいいと思う。
 いつかはまたテレビを見ることになるのだろうが、もう少しの間はテレビのない生活を続けてみたい。時間もできたのだし、もっと勉強も修業も家事もしないとね……(2006/8/7)


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