ピアノを買いそびれる
半年くらい前から近くの店で電子ピアノを物色していた。だいたい5万くらい。ちょっと高い気がして、中古でいいのがないかなと思ってリサイクルショップを見たりしていた。
日曜で時間があったので、コマーシャルをよくやっている高山質店に行ってみようと思って、姪浜まで1時間半自転車をこいだ。途中天神で「福岡・築港日雇労働組合」の人たちがビラを配っていた。
「……2月の末から3月のはじめにかけて、野宿を強いられている二名の仲間が、たてつづけに亡くなりました。餓死と凍死でした。さらに三月中ば過ぎにも、一名の仲間が、公園のテント小屋の中で亡くなっているのが発見されました。病気であるにもかかわらず、治療も受けられないことから、命を落としてしまったのです………」
カンパ箱代わりのゴミ箱に持ち合わせの小銭を入れた。ギターを持っているおっちゃんがいたが、特に歌うでもなし。
そこから1時間あまり走って高山質店へ。3階建ての大きな店だったが、電子ピアノはなし。自分が20年前に使っていたなつかしいシンセを見つけたが、今回はピアノでないと意味がないのでパス。
あきらめて帰りかけると、すぐ近くに別のリサイクルショップがあり、のぞいてみるとホコリだらけのピアノがあった。古いせいかタッチの時にゴツゴツ音が出るが、ものは悪くなさそうだ。送料込みで2万弱。
買おうかなと思ったが何となく迷い、結局見送ってしまった。中古より新品を買いたい欲求が少し、部屋が狭く置く場所がしんどいのも少し、ピアノを買うよりおっちゃんと一緒にギターを弾くべきではないかと思ったのも……少し。
往復で3時間、帰りの途中で自転車のブレーキワイヤーが切れた。最近よく走るなあと思いながら帰宅。まあいつもと違う風景を見るのも勉強やし、カンパしたのもよかった……し、今度は駅前の炊き出しの手伝いをしようかなとも思えたのもよかったかな。
どんなことにでも意味はあるよね。(2007/4/16)
※炊き出し・夜回りなどを行っている「福岡おにぎりの会」は
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