藍色の地の向こう側

 これは望まない旅だったかもしれない
 ぽくは道を誤ったのかもしれない
 凍てついた空の彼方にぽくだけの
 悲しみ色の生きがいが乾き光っている
 足元で呼ぶ声は数限りない幸せへの誘い
 足元で呼ぶ声は行き先のない休息への誘い
 何のためにと問われる度に
 耳をふさいで逃げてきたけれど
 信じさせて 答えのない道のりだけが
 ぼくの前にあるのではないと

 旅立ちは祝福の中で無理やり始まった
 気づいたときには帰る故郷もなく ひとり
 行方を知らす標識も嘘で朽ち果てた
 後には残骸と幻影と白い地平線
 何処へ行くという声は低く高く群れて響く
 何をするという声は怯えと脅しのにおいがする
 死んでしまえと言われる前に
 自分で命を終わらせたいけれど
 信じさせて たとえ報いがなくとも
 ぼくの生き様はぼくだけのものだと

 何のためにと問われる度に
 耳をふさいで逃げてきたけれど
 信じさせて答えのない道のりだけが
 ぽくの前にあるのではないと
 答えのない道のりだけが ぼくの前に
 ぽくの前に続いているのではないと
 信じさせて そしてただひとつだけ
 この身を賭して生きられるなら きっと


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