夜雲(やぐも)

  振り返れば肩ごしに 青い雲が流れて
  あなたの声 ふるえている 足音が遠く

    初めて会ったときは まぶしい日の光
    ほほえんだ あなたの背中に 夏の影

  夜の雲は重苦しいね そう言ってうつむいた
  ふたりだけの下り坂 帰り道はどこへ

  愛し方も知らなかった ただ そばにいたかった
  思いだけが駆け出して 知らぬ間に苦しめた

    何も悪くはないわ ただ若過ぎただけ
    わがままだけの恋が過ぎて 夜になれば

  ぼくは強くなれないから 先に行って お願いだから
弱音だけが口をついて 立ち尽くした そして...

  さよならは言わないから 何もかも忘れないで
  いつか雲が 夜の雲が 流れて 消えるまで
  きっと きっと

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