継続する力とその方法


 勉強でもクラブでもゲームでも? 上達するにはある期間続けて練習することが必要です。
 山本は実はこれが苦手で、いつもお正月に「今年は毎日ペン字の練習をしよう」とか「毎日腹筋とスクワットをしよう」とか決めてみるのですが、いいとこ3ヶ月が限界で、5月くらいになるとすっかりやめてしまいます。毎年これの繰り返しです。
 みんなにも「毎日自分で勉強したかどうかを記録しなさい」と言っているのですが、勉強したかどうかの記録をつけるくらいのことでも、毎日続けるのはなかなか難しいと思います。
 山本は普段は、自分ができないことは生徒に要求しない(したくない)のですが、ここはみんなにとって重要なところなので、みんなに山本よりも粘り強くなってほしいです。
 勉強について言えば(前にも書きましたが)、短期間に集中してやるよりも、毎日少しずつ継続して積み重ねていく方が、同じ時間かけても頭によく入って忘れにくいということがわかっています。学校のテストのように範囲がわかっていて1晩でやれる勉強ならなんとかなりますが、大学入試のように範囲が広く短時間ではさばけないような勉強では、少しずつ続けていけるかどうかがカギになります。
 みんなの中には「やり出したら止まらない」という人もいます。何かに集中して一度に片づけてしまうのが悪いわけではありません。人間の頭にはリズムがあるので、何かに対して"ノッている"時にはそれをとことんやってみるのもいいでしょう。山本はこの通信をたいてい夜中に書きますが、パソコンで音楽を聴きながら自分で"ノリ"をつくり、文章を書くことに集中するように自分を仕向けます。 ……でもそのような「がむしゃらイノシシ型勉強」だけでなく、細く長く続ける「マイペースカメ型勉強」を身につけておきたいところです。
 何かを長く続けるために一番いいのは"クセにする"ことです。山本は4年前からパソコンで日記を書いていますが、何日か書かずにたまると気持ち悪くなって、「今日は絶対書かなきゃ」と思えるようになりました(そう思えるようになるまで1ヶ月くらいかかりました)。この日記は1年前と2年前の同じ日のものが見えるようになっていて「去年の今頃はMさんが粘って終電で帰ったなあ」とか「2年前の今日はN先生ともめたんだっけ」とか思い出すのが楽しいです。
 最初からたくさん何かをやろうとせずに、最初は短時間簡単な作業を1日10分でも続けられるようにするのです(山本は日記は1日10分、スクワット40回は3分で終わります)。晩ご飯を食べる前に5分単語帳を見るとか、朝学校に行く前に1問だけ数学を解くとか、はじめはそんなことからでいいのです。それだけでも続けていければ自信になります。
 続けていくためには何か楽しいものをごほうびとしてしかけておくのも、テクニックです。たとえばカレンダーに勉強した日は特別な印をつけるとか、その日だけおいしいものを食べられるようにするとか、自分でルールを作ってみるのもいいと思います。
 もう1つ続けるコツは"人に言う"ことです。タバコをやめる時、まわりの人に「俺はもうタバコは絶対に吸わない!」と宣言すると、人の目が気になってなかなかタバコが吸いにくくなります。学校などに友人やライバルがいるのなら、誰かと何かを続ける競争をする手もあります(お互いに違うことを続けてもいいのです)。点数で競うのもいいかもしれません。そういう時に大切なのは、自分でこっそり誰かをライバルだと思うのではなく、相手にはっきり「こういう競争をしよう」と言うことです。こういうことははっきり宣言することに意味があるので、それが自分のやる気をもたせる元になります。
 人間はもともと群れで暮らしていたサルの親戚から進化したので、ひとりで何かをするようにできている生きものではありません。仲間をつくって勉強するのは恥ずかしいかもしれませんが、気持ちのコントロールをする時に人に頼るのは、むしろ自然なことです。そういう工夫も若いうちにしておいた方がいいと思います。
 山本もみんながタバコを吸わないように"監視"して励ます役割をしたいのですが(例えですよ)、なかなか厳しく言えなくて悩んでいます。もうみんなも高校生ですから何かを強制したくはありません。みんなと「こんな風に勉強を続けてみたらどうか」ということを相談した上で、決めたことを守っていけるようにチェックするのが仕事かなと思います。特に2年生のみんなはこれからが本番ですから、なんとか「続けていく」ための相談をしていきたいです。
 山本はいい加減な人間ですが、塾や家庭教師などでみんなを教えている時は、授業の準備を「続ける」ことが全く苦になりません。去年の今頃、塾がなくなる直前の2ヶ月は、ほとんど毎日休まずに塾に行って授業やその準備をしていました。しんどかったけど、あの塾の最後の受験生をなんとかいい形で送り出したい、高校生の人たちにもこの塾での最後の時間をいいものにしてほしい、という気持ちがありました。中3の人たちに当たり散らしたこともあったけど(ゴメンナサイ)、一生懸命のみんなと向かい合えたあの時間は、山本にとってはとてもいい思い出です。
 何かを続けるための一番大きな力は、結局「目標」です。自分にとっての目標がしっかりあって、そのために力をつけたい、賢くなりたいと思い続けられれば、努力を続けていくことができるでしょう。自分が何にこだわりたいのか、どんな目標を持っていくのか、迷ったり悩んだらそこに戻ることも必要でしょう。まあ何かあれば相談に乗るのでいつでも言ってください。(2009/3/6)

通信の一覧に戻る

最初に戻る

inserted by FC2 system inserted by FC2 system