再び大学生のお手紙


 また愛伸ゼミナールの卒業生が、みんなのためにお手紙を書いてくれました。1浪して九州大学理学部に入った人ですが、他の大学をめざしている人にも参考になるでしょう。ほぼ全文を紹介します;

 大学生活についての文章の依頼をいただいたとき、正直自分には無理だと思いました。
 自分にとって、大学なんてまったく楽しいものではありませんでしたし、いままで避けてきた物理や数学を勉強しないといけないので苦痛しか感じていませんでした。
 大学生活を楽しめない最大の理由は、いい仲間に出会えなかったことだと思います。1年間浪人して大学に入ったので、クラスのほとんどは年下になるわけですが、それ以上に彼らの言動が子供っぽく、ガキっぽく感じられ、とても仲良くなる気はおこりません。割り切ってしまえばなんでもないことなんでしょうけど、僕にはそれができない、その上1人で頑張れるタイプでもないので辛かったです。1年経ってだいぶ慣れてきましたが、当初は毎日のように友達に電話をかけて話を聞いてもらっていました。
 いい仲間に出会うというのはとても大切なことで、これまで愛伸や予備校では本当に信頼でき、一緒に頑張れる仲間と出会えたので、それが無い今の大学生活は充実するはずがありません。
 入学当初の楽しみといえば、仲間と集まること、もう一つは個別指導塾のアルバイトでした。今もこの塾で働いていますが、ここでは多くのことを学べている気がします。
 その塾で働いているのはほとんどが学生で年齢的には1〜2才上の人が多いのですが、本当にいい人ばかりで、これまで部活をほとんどやっていなかったので、先輩というものを持つのが初めてに近く、新鮮でした。生徒についての悩みはもちろん、日常の悩みも親身になって聞いてくれるので頼りにしています。教室長もとてもいい方で、僕の要望をよく聞いてくれ、担当の生徒の成績があがるとしつこいくらいお礼を言ってくれるので、認められている気がしてとてもうれしいです。
 今担当している生徒は8人中5人が受験生で、その中の1人は阪大志望です。難関校をうけるのはこの子だけですが、どの生徒もいい子で、教えるのが楽しくてしょうがないです。中でも阪大志望の子は、うまく表現できませんが、コンスタントに頑張れる子で、その子をみていると、自分の勉強に対する姿勢についても考えさせられ、もっと頑張らないといけないと思わされます。
 そろそろ本題に。
 僕は九州大学理学部化学科の2年生です。九州大学では1年生の間から2年生の前期にかけては週4で全学教育科目という、いわゆる一般教養(英語、数学、物理、化学など)を学び、週1で専門科目(僕の場合、化学)を学びます。2年後期からは本格的に専門が始まり、週4で専門+実験、週1で英語という形になります。専門科目の化学について述べると、大学に入ってからの化学はさらに細かく分かれ、物理化学、無機化学、有機化学、量子化学などになります。それぞれの教科書は厚さ3〜5cmほどで値段も5〜6千円、なかなかごつい本です(注;大学の教科書をまともに買うと数万円かかります)。今は授業をうけてもさっぱりわからなかった有機と量子の本をもう1度読み返してみたりしていますが、有機は約700ページが上下巻、つまり1400ページを読むことになり、内容も難しいのでなかなか骨の折れる作業です。僕は化学が本当に大好きで化学科に入りましたが、分野によっては苦手です。むしろ嫌いです。教授の話によると、専門に入るともともと好きな科目でも嫌いになるというのはよくある話だそうで、それを乗り越えると道が開けるのだそうでうす。僕はまだ実感していないのでよくわかりませんが、複数の先生がそう言っているので本当なんでしょう。

 こんな感じでいいでしょうか。まとまりのない文章で申し訳ないですが、お役にたてればうれしいです。なんだかまだ書きたいことがある気がするのですが、パっとしないのでまとまったらまたメールさせていただきます。

 彼は高校生の頃は塾に入り浸っていて、学校から帰るとすぐに赤間校に行き、塾で自習や食事や実験(塾の顕微鏡や電子レンジを使ったりしていた)までしながら授業を受け、山本よりも遅くまで教室にこもっていました。塾の友人も多く、大学生になった今でも集まったりしています。塾の卒業祝いでは中華料理をおごらされて大変でした(フカヒレ食べた人、出世返しやで)。
 まだあまり大学の人間関係になじめないようですが、クラブなどに入らなければ大学での人間関係はあまり"濃く"ないことも多いので、彼のようにバイトの方によりなじんでしまう人も少なくありません。まあ3回生くらいになれば実験なども増えて研究室の中での人間関係も深くなっていくので、ボツボツいい先生や仲間を見つけてほしいと思っています。
 彼は高校時代に化学が好きになり、化学をより深く勉強したいといって大学に入りましたが、彼自身書いているように、化学が好きという気持ちがそのまま続くとは限りません。高校で学ぶことは本格的な勉強の入り口にすぎないので、本気で勉強していけばいくほど、思っていたのとは違う世界に入っていくことになります。日本の大学生は勉強にのめり込みきらないうちに卒業してしまうことが多いのですが、できたら1つでも「大学でなければできない勉強」をものにしてほしいです。彼はきっとそれをやり遂げるでしょう。みんなは……どうなるかな?

 1人1人にメッセージ
  • センターの過去問は採点して点数をつけてみてください。最初は悪くてもいいので、やっていくうちに点数が上がってくるとやる気が出ます。過去問を全部解いたら絶対自信が持てるよ。
  • そろそろ数学と理科のセンターの過去問を解き始めてみましょう。時間的にきついだろうけど、点数が伸びてくると楽しくなります。ここからが君にとっての本当の勝負どころですよ。
  • 面接は緊張するだろうけど、自分の本当の気持ちを確かめるためにはいい勉強かもしれないね。初心忘れるべからずって本当だと思うよ。自分のやる気を大切にしてほしいです。
  • クラブに体力を吸い取られてしまっているのが心配です。必要な勉強をする時間をとれないと、後悔するかもしれないよ。無駄な時間をとにかく省いて、あとは「寝ない気力」です。
  • ちょっとしんどくなっている感じですが、問題を解いて慣れていけば楽しくなれる部分もあるでしょう。数列には自信を持ってほしいので、ここはとにかく練習することです。
  • 目標を持って努力するって、結果がどうでも楽しいことだと思うよ。君はまだ若いから、そういう経験をすることで自分を強くすることができます。そうしてみてほしいと思っています。

(2009/9/23)


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