そのままで


 随分遅くなりましたが、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 修学旅行のおみやげをありがとう。妻とおいしくいただきました。スキーを楽しめたらよかったです。いい思い出ができたかな?
 4月からの担当はまだ決まっていませんが、3月まではとにかくみんなを教えます。もう少しの間、一緒に賢くなろうね。

 もうすぐ3年生になるみんなは、思春期のまっただ中です。
 将来の進路や、学校での色々なトラブルで悩むこともあるでしょう。成績が上がらない、勉強する気にならない、友だちとうまくいかない、将来どうしたらいいのかわからない、……色々な悩みを持つ人がいると思います。山本も今まで塾や家庭教師で、そういう人たちの悩みをたくさん聞いてきました。
 「悩みは恵み」という言葉があります。悩むのはしんどいしラクではないけど、何かを悩んで乗り越えることで、人間として成長できるという意味です。山本も大学を選ぶときとか、この人と結婚するべきかどうかとか(?)、どんな仕事が自分に向いているのかとか、色々なことで今まで悩んできました(今でも悩みはあります)が、そういうときに悩むことから逃げていい加減に何かを決めてしまうと、たいてい後でとんでもなく後悔しました。みんなにはそうなってほしくありません。
 大事なときにはとことん悩んで、自分で納得できる結論を出して進むのが、1回しかない人生を後悔なくやっていく方法だと思います。悩むことを恐れないで、特に本当に大切なことには、時間をかけてとことん悩んでほしいです。
 誰かからひどいことを言われたり、勉強やクラブがうまくいかなかったりして、自分をふがいなく感じて落ち込んでしまうこともあるでしょう。そういうときに山本がみんなに願うのは、「あなた自身を傷つけてほしくない」ということです。
 どんなにしんどい状況でも、それであなた自身が本当に「ダメな人間」だと思ってしまうと、前向きに考えることができなくなります。一番しんどいのは、誰かに悪口を言われたり叱られたりすることではなくて、そうなってしまった自分を自分で「ダメなやつだ」と思いこんでしまうことです。
 どんな人だって失敗をするし、うまくいかなくて叱られたり友だちとうまくいかなくなることもあります。そのままでいいわけではありません。でもそういうしんどい状況を打開していくためには、「それでも自分は大丈夫、OKなんだ」って思える力が必要です。
 山本もそうだけど、自分を責めるのはある意味簡単です。「なんでこんなふうにしかできないんだ、自分はダメだ〜〜」と思ってしまうのは、実はけっこう楽なことです。自分をダメだって決めつけてしまえば、逃げる口実になるし、前向きになれない理由もつくれます。そうやってうまくいかないまま"沈んでいってしまう"人は、オトナでもいます。
 みんなは子どもだから、致命的な失敗をすることはほとんどありません。テストで1回失敗したって挽回できるし、友だちとケンカしてうまくいかなくなっても、また仲よくなるチャンスもあるし、その人と仲よくなれなくても学校で楽しくやっていく方法を探すことはできます。そういうときに「俺はもうダメだ、やってもできないんだ」とか「あの人とうまくいかないから、もう学校で楽しくすごせない」と思ってしまうと、出口のない自己嫌悪の中でもがくことになります。
 生きているって、それだけで素晴らしいことです。あなたたちは「そのままで」素晴らしい人間なのです。ダメや犬やダメなエンドウマメがないのと同じように、ダメな人間などいません。自分をいい方向に変えていこうとするのなら、「自分はそのままで素敵な人間なんだ、自分を大切にするんだ」って思うことです。それがしんどい状況から脱出する力にもなると思うんですよ。
 みんなが元気に学校に来て、素敵な時間をすごしてほしいと思っています。(2012/1/27)



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