お奨めの本を作者から紹介します

 山本はタイプとしては、何かを実際にやってみるよりもまず本などで調べてみる方です。山本のものの考え方に大きな影響を与えた本の中で、みんなにもできたら読んで欲しいものを作者から紹介します。(マンガを含む)

 ※本多 勝一 「貧困なる精神シリ−ズ」「子どもたちの復讐」「日本人は美しいか」
「中国の旅」「日本語の作文技術」「週刊金曜日(この人が編集長をしている雑誌)」
 元朝日新聞の記者で非常に論理的でわかりやすい文章を書く人です。教育問題を取り上げた「子どもたちの復讐」国語の勉強にもなりとても役に立つ「日本語の作文技術」短い文章で読みやすい「貧困なる精神シリ−ズ」など、色々なジャンルで面白い本を書いています。考え方の違う人にも一度は読んでもらいたいです。

 ※松田 道雄 「育児の百科」「私は女性にしか期待しない」「松田道雄全集(図書館などにあります)」
「日常を愛する」「恋愛なんかやめておけ」「町医者の戦後・安楽死(岩波ブックレット)」
 京都のお医者さんです。「育児の百科」は古い本ですがベストセラ−で、山本は出産祝いにはこの本と決めています。医療を巡る問題にも詳しいのですが、山本が一番好きなのは全集の中の「革命家の肖像」です。ロシア革命で活躍したトロツキ−の伝記を読んでいると、「世の中を変えるために命をかけて悔いなかった人の栄光と悲劇」で涙が出てきます。なかなか手に入らない本が多いですが、「私は女性にしか期待しない」(岩波新書)は図書館にもあるので、一度読んでみて下さい。特に医療関係に行きたい人にはお奨めです。

 ※むの たけじ 「詩集たいまつ(T〜V)」
 武田鉄矢お奨めの詩集だそうですが、内容は抜群です。東北の農村の中で労働運動に長いこと関わってきた人の、命をかけた言葉がたくさん入っています。

 ※千葉 敦子 「ちょっとおかしいぞ、日本人」「乳ガンなんかに負けられない」
「ニュ−・ウ−マン」「若いあなたへ!」
 大学卒業後アメリカへ渡り、ガンで亡くなるまでアメリカでジャ−ナリストとして活躍していた人です。自分のやりたいことをするにはどうしたらよいか、どんな努力が必要か、しんどい状況になったときどうやって勇気を奮い起こしたか、色々なことを教えてくれます。思想そのものは山本は好きではないけれど、しっかりした考え方を持っている女性の代表として勧めます。

 ※三上 満 「眠れぬ夜の教師のために」「限りなく愛しいもの」など
 先生の組合(教員組合)には今、日教組と全教の2系統がありますが、新しくできた全教の初代委員長です。山本がくじけそうになったときこの本で支えてもらったこともあります。先生志望の人、先生にならなくても母親になったときに学校のことを考えるために。子どもへの愛情が本の中に満ちあふれているような人です。

 ※江崎 ひろこ 「顔つぶれても輝いて」「ステロイドいのちの電話」
 高1の生物で紹介しましたが、薬害で顔中がただれてしまった作者が医者を相手取って訴訟を起こし、弁護士と2人3脚で戦い和解までいったという話と、実はたくさんいるステロイド薬の被害者の話の紹介です。医者と薬と患者との関係、薬に対してどう考えるべきか、など深い内容です。この人は京都の人らしいので、山本は一度会いに行きたいと思っています。医者や薬剤師になりたい人にお奨め。


〜マンガ編〜

 ※尾瀬 あきら 「夏子の酒」「僕の村の話」「みのり伝説」
 「夏子の酒」はテレビでやりましたが、原作の方が突っ込みが深く絶対面白い。チョウよ夢よの甘いドラマではなく、女性が世の中と格闘していく中での苦しみと喜びを真剣にかこうとしている数少ないマンガ家の一人です。

 ※柴門 ふみ 「元気です 俊平」「女ともだち」「家族の肖像」
 「東京ラブスト−リ−」「あすなろ白書」で有名になりましたが、この人のマンガはむしろ昔のものの方が面白い。「女ともだち」はかなり古い本ですが男と女の本音をさらけ出していてヨイ。古本屋などで売っていたら一度買ってみて下さい。

 ※石坂 啓 「安穏族」「気分はもう戦争」「新友録」
手塚治虫の弟子から独立してギャグマンガから入った人ですが、女性の生き方についてまた人間の生き方について軽いノリでありながらとても考えさせられます。反戦マンガが特にお奨め。

 ※ありむら 潜 「ホテルニュ−釜が崎」など
大阪の日雇い労働者の街・釜が崎の職業安定所の職員がかいたマンガです。中身はほとんどギャグですが、差別の問題を考えるのに大変役に立ちます。なかなか手に入りませんが、いつかヒマがあったら注文してみて下さい。(1995/3 高2文集より)


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