恋することの素晴らしさ

 生きていく中で一番楽しいことって何だと思いますか。
 山本のタテマエでは「自分のいいところを見つけて、やりたいことを見つけて、自分の得意なことで世の中に貢献できること」です。苦しいこともあるけど、一番やりがいのあることだと思います。
 でもホンネでは「誰かを好きになったときのドキドキした気持ち」が一番楽しいと思います。先生はほれっぽい方で、今まで何回もラブレタ−を書いては振られたり、片思いの子に一方的にデ−トの申し込みをして何時間も待ったり(結局来なかった)しましたが、そういう時のドキドキが一番好きでした。

 人が恋をするのは、ある意味では生物としての「発情期」からくる宿命です。ヒトは一年中が発情期になってしまった異常な生きものです。でもそのおかげで、子どもを作る以外の目的で男女交際ができる唯一の生きものにもなれました。
 あなたは本気で誰かを好きになったことがありますか。
 誰かを好きになることはそんなに難しいことではありません。でも本気で自分と相手のことを考えて2人のいい関係を作っていくのは、とても難しいと思います。自分のどんなところを好きになってもらいたいか、どうしたら自分がもっと好きになってもらえるのか、相手はいったいどんな人間で自分とどこで重なり合えるのか、相手とどうつき合えばもっといい2人になれるのか。色々なことを考えながら、会っているときはそれどころではなくなってしまう。誰でもドラマの主人公になれる世界ですね。

 恋しているときの人間は、いつもより大胆になったり臆病になったりしながら、その中で今までと違う新しい自分を見つけることがたくさんあります。星の数ほどの Love songや恋愛小説があるのは、恋をしたときに自分や相手の新しい顔を見つけることがとても素敵だからです。
 でも逆に言えば、恋の仕方やつき合い方にその人のすべてが現れてしまうということです。普段かっこいい人が彼女には理不尽にいばり散らしたり、とてもおとなしかった人が彼ができた途端に明るくなったりします。その中で最初に書いた「自分のいいところを見つけて、やりたいことを見つけて」ができることもあります。

 人を好きになるのは、とても意味のあることだし、楽しいことです。
 でも好きになるのなら、本気で悩んで下さい。今までなかった2人の関係を作っていくためにどうしたらいいのか悩んで下さい。苦しいこともあるし別れることもあります。失恋は悲しいけれど、真剣に自分と相手のことを考えたならそれも人生の財産です。失敗を恐れないで下さい。(体だけは傷つけないでね)

 世の中には色々な人間がいます。もうすぐ新しい世界へ出ていくあなたたちが、どんな人と出会い恋をして素敵な女性になっていくのか、期待しています。
 先生もある意味で、みんなに恋をしていました。でも生徒に恋する教師というのは幸せ者だと思います。みんなへの気持ちがそのまま「いい仕事をしよう」という方向に向けられるからです。山本はこれからも教師であり続けたい。世の中の色々な子どもたちに恋し続け(浮気?)ながら、自分を磨いていきたいと思っています。

 1年間大変だろうけれど、体に気をつけて、粘り強く努力して下さい。
 元気でね。(1995/3 高2文集より)


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