地震に負けないで−−part2

 Iさんからの手紙

 Iさんからファックスでお手紙が来ました。

 「みなさん、元気ですか? 私はとっても元気です。
 今は埼玉県の中学校に仮転入しています。
 少しずつ友達もできてきて、だいぶんなれてきました。
 でも、ここの学校 3月1日〜3月3日までテストがあるんだァ〜〜! 最悪!!
 数学以外全部教科書もちがって、はんいもぜんぜんちがうんだァ−。とくに社会と理科が。
 もう授業聞いててもなにがなんだかさっぱりわかんないんだなァこれが。
 社会なんかさぁ〜歴史でわっけわかんないの。もう泣きそうだよ。
 でもなんとかがんばってます。できるだけはやく学校にもどりたいです。
 私も埼玉県でがんばりますので、みんなもそっちでがんばってね★
 それではまたみんなにお手紙書きます。春休みとかみんなで遊びにきてネ!
 それでは bye-bye」



 長野中学の生徒からの手紙

 教室にもはってありますが、大阪の河内長野の中学校の中1の生徒からお見舞いの手紙がきました。このクラスのMさんのいる場所のすぐ近くです。全文を紹介します。

 はじめまして、ぼくはあなたたちと同じ中学一年生です。
 あの日ぼくは今まで体験したことのない激しい揺れでびっくりして目を覚ましましたが、
 その時は神戸があんなになっているとは思いもしませんでした。
 時間がたつにつれ、日がたつにつれ、その被害の大きさにただ驚くばかりでした。
 家族はテレビを見ながらよく涙を流していました。
 倒壊したビルやへしゃげた橋、高速道路、大規模な火災を見てとてもびっくりしました。
 美しい神戸の町があんなにぼろぼろになってしまって、
 ぼくも本当に地震の恐ろしさを知り、くやしい気持ちでいっぱいです。
 五千人以上の人が亡くなり、その中にはあなたたちの身近な人や、
 クラスメイトも含まれていたのではないかと思います。
 家を失ったり家族を失った人のショックはどんなに大きいことでしょう。
 ぼくだったら悲しみの底に沈み、そこから出れなくなってしまうと思います。
 毎日の生活はどんなに不自由なことだろうと思います。
 第一、水道がストップしているんですからね。
 ぼくは今、こたつに入ってテレビを見たり、お風呂に入るとき、悪いような気がします。
 一日も早くライフラインが復旧するといいですね。
 学校はどういう状態ですか。学用品など足りないものもたくさんあるんでしょうね。
 今ぼくたちにできることは、救援物資や義援金を送ったり手紙を書くことぐらいしかありません。
 ほとんど何の力にもならないでしょうが、
 ほんの少しでも君たちの明るさや元気につながってくれればと思います。
 神戸の人々の明るい顔を見ることをみんなが待っています。
 こんな時に元気になれというのは無理なことかもしれませんが、
 がんばって一日も早く笑顔を取り戻して下さいね。

 ガンバレ、神戸。

       大阪府河内長野市立長野中学校 一年一同



 バザ−について

 学校の中の行事について色々な話し合いが行われています。バザ−についても先生たちの話し合いの中で、様々な意見が出ましたが、「中身は今までの予定のものと変えて、3月に行う」ことになりました。今まで作ったものや作りかけのものは、できるだけ活かす形で考えていくつもりです。
 みんなに考えてもらいたいことが1つあります。この学校が神戸の被災地の中にある以上、あなたたちは被災者の人と関わりを持ってしまっています。通学などで迷惑をかけている部分もあるかもしれません。みんなの元気な顔が、沈んでいる人をホッとさせることもあるかもしれません。
 この学校のバザ−は本来「売上金を寄付する」という発想で行われています。去年は奥尻島やアフリカの飢餓対策などに送られました。今回のバザ−では「何を出すか」「お金を集めるか(無償にするか)」「誰から集めるか」「集めたお金をどうするか」などが問題になっています。今回は時間がないので教師の会議で決まることになりそうですが、「クラスの仲間に対してどう関わるか」と同じように「被災地の人とどう関わるか」について1度考えてみて下さい。(1995/2/21)

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