強制されることの意味
中3では数学の授業の後で社会の小テストをします。山本が答案を返した後、ある人とこんな話をしました。
「先生、私目標点より悪いけど再テストはしなくていいの?」
「したかったら用意するよ」
「別にしたいわけじゃないけど」
横で聞いていた別の先生が、
「山本先生、そんな言い方したら(再テストを)受けるはずないじゃないですか」
しばらく考えてから、山本はその人に
「別にムリして受けなくてもいいよ。せっかくテストを受けてもあなたの力がつかないだけや。それでもよければ受けなくていいよ。自分でどうしたらいいか考えなさい。」
「えー、そんなんいややわ」
ちょっとイヤミだったかなとも思いましたが、山本としては本音です。
この塾に来る前、山本は学校の教師をしていました。学校で1つイヤだったのは
「○○しなさい」「××してはいけません」
と毎日のように言わなければならなかったことです。自分の子どもの時を思い出してみると、何かを強制されたりムリに禁止されたりするのはとてもイヤでした。今でもむやみに命令されたりするのは嫌いです。
確かに、何かを命令したり強制したりしなければならないときもあります。たとえば何かを初めてするときには、とりあえず先生の言うことを聞いてからマネをしてみるのが早道です。学校や塾の授業はこの理屈で普通行われます。ちゃんと言う通りにしなさい、ってよく言われますね。
でも「とりあえず言う通りにする」ことと「言われなければ何もしない」ことは全然違います。言われたことしかしないと、そのうち自分で何をしたらいいかわからない人間=指示待ち人間とかマニュアル人間とか最近言われる=になってしまいます。そういうオトナも少なからず世の中にはいますが、みんなにはそうなってほしくありません。
一番大事なことは、自分が何をするべきかいつも考え続けることです。宿題で足りなければ自分なりの復習をしてほしい。復習だけでは飽きる人は勝手に予習をしてきてほしい。そういうことを考えられる人はまちがいなく成績が伸びるし、自分の人生を自分で作っていけるようになります。なかなかしんどいことですが、たまには今の自分の生活を振り返ってみて「これでいいのかな?」という点検をしてみてください。
申し訳ない……しかし
中3の講習授業で後ろの方に座っている人をあてたとき、その人の答を聞き違えて「わからない? ……どうかな?」などと言ってしまいました。後で聞いたら「最初正しい答を言ったのに、先生がちゃんと聞いてくれなかったので迷ってしまった」と言っていました。
ちゃんと聞かなかったのは申し訳ない。しかし……
先生はヘッドホン難聴というもので耳が少し悪いです。小さな声で言われるとどうしてもわかりません。みんなのせいではないですがそこはわかっておいてください。
それに、何か発言をするときに小さい声で言うことは、あまりいいことではありません。自分で考えて出した結論ならば、堂々と言えるようになってほしいです。前から言っていますが、まちがえることは悪いことではありません。同じまちがいを繰り返さないようになればよいのです。そのためにはとにかく自分の意見(こたえ)をはっきり言った方がいいです。大きな声でまちがえたら、おそらく2度とそのまちがいを繰り返すことはないでしょう。
今回のことは山本も焦ってしまって悪かったです。でもみんなにも、そのへんのことを考えてほしいです。(1996/4/1)
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