学園祭の思い出

 秋は学園祭の季節ですね。(受験生には関係ない……か)
 小・中学生にはなかなかピンとこないでしょうが、高校や大学では学園祭というのは一大イベントなのです。

 自分の高校時代の学園祭は9月中旬にありました。
 山本は運動部で忙しかったので、1・2年の時はほとんど手伝いをせず、当日の呼び込みをしたくらいでした。クラスでの企画で、高1のときは映画を作り、高2のときは戦争についてのとってもまじめな展示(『悪魔の飽食』が話題になっていた頃)をしました。1年の時はどのクラスの展示が面白いかを採点する審査委員をしていたので、同じクラスでひそかに憧れていた? かわいい女の子と一緒にあちこち歩いて、とてもうれしかったのを覚えています。
 高3は講堂で劇をすることになっていて、山本はナント演出を引き受けました。学校の宿題をそっちのけにして徹夜で脚本を書いたり、夏休みに公民館を借りて練習をしたり(練習よりも帰り道の盛り上がりの方がすごかった)、水に飛び込む音を録音するために家のお風呂にバケツで水を入れたり、みんなで作曲した主題歌をピアノで弾いて録音したり、「キスシーンはダメ」という担任とみんなでけんかをしたり……
 結局10クラスでコンクールをして審査員の評価は5位。中学の教師で演劇部の顧問をしていた父親が見に来ていて、「脚本が凝りすぎ」と一言……トホホ。

 大学の学園祭(11月祭)はもっと大がかりなイベントでした。1回生のときはクラス(大学にも一応クラスはある。ただし4年間ずっと同じクラス)で、色々な企画に参加しました。
 ・模擬店;中国からの留学生の女の子(国費留学生でムチャクチャ頭がよかった。よく数学を教えてもらいました)がいたので、作り方を教えてもらって「中華風お菓子を作って売ろう」ということになりました。
 「作り方マニュアル」を書き、長岡に住んでいる仲間の家でみんなで仕込みをし、用意万端……で始めたところが、そこそこには売れるもののもうからない。このままでは赤字か? という最終日になって、伏見の酒屋さんから「店の宣伝のポスターを貼ってくれたら、お酒を安く売ってあげる」という話を誰かがもらってきました。急いでみんなでお酒を運び安売りを始めたら、もうかるもうかる。
 たまたまその日同じ場所で小泉今日子のコンサートが予定されていたのですが、無料コンサートで人が集まりすぎ大混乱になったため中止になり、ちょっとした暴動が起こりました(次の日新聞に載りました)。そんな人だらけの場所で稼ぎまくり(やけ酒か?)最後には10万円以上もうけてしまいました。なんだか詐欺みたいですが、おかげでその後のクラスコンパ(宴会)は格安でできるようになりました。
 山本は模擬店の片づけが終わったあとの打ち上げで、友だちから「リンゴジュース飲まへん?」と言って赤いジュースをもらい、何の気なしに飲んだら何とラオチュー(中国の強いお酒で火をつけると燃える!)で、急性アルコール中毒で倒れてしまいました。救急車に運ばれ、近くの病院で点滴を打ってもらい、お医者さんに「自分の体を考えて飲め!」と怒られて、シュンとしながら下宿に帰りました。
 ・演劇;理学部なのになぜか劇作家志望の人(30ヶ国語で『愛してる』と言えるのが特技だった)がいて、「ボクが脚本を書くから、教室で劇をやらない?」と言ってきました。ノリのいい人が集まって「オセレット」というドタバタ喜劇をしました。山本は"家来にバカにされる王子様"という役で、生まれて初めてドーランを塗り、鏡を見てみんなで大笑いしました。ちなみに客は10人ほど(同じクラスの人も来ない……)でした。高校時代の友人が名古屋から遊びに来ていて、劇を見に来てくれましたが、後で一言「何にもわからんかった」。
 ・仮装行列;学園祭の1週間前に、河原町から四条通をねり歩く仮装行列があり、これも遊びたがりの仲間の提案で参加することになりました(……ヒマだったのね)。当時クラスの中の麻雀友だちが何人かいて(山本も)、大きな麻雀パイをかぶって行列することにしました。段ボール箱に紙を貼って自分のかぶる分をつくり、みんなで並んで街中を歩いて、時々みんなで「ロン!平和(ピンフ)のみ!」と大きな声で叫ぶのです。(ピンフの意味がわからない人は……わからない方がいいです。多分)こんなわかりにくいギャグでも、仲間内では結構受けていましたが……あー恥ずかしかった。

 大学の2回生になってからは、みんな自分のことに忙しくなって、クラスで何かをすることはほとんどなくなってしまいました。模擬店のもうけだけが残っていたので、1年に1回は飲み会をしていたようです(山本は老酒に懲りて行かなかった)。
 まあ今から考えればなんと子どもっぽい……というところですが、それはそれなりに青春の1ページ(恥ずかしい)だったのでしょうか。
 前にも書いたように、高校や大学には「その時でないとできないこと」がたくさんあります。学園祭もその1つだと思います。たとえば自分の行きたい高校や大学の学園祭に行ってみるのもいいでしょう。ムリに○○をしなければならないというのではなく、自分のやりたいことをやってみる機会として考えてみられたらいいなぁ、と思います。 (1996/9/9,1997/11/6)


通信の一覧に戻る

最初に戻る

inserted by FC2 system inserted by FC2 system