バッタはかわいそうか?

 13日の日曜日は久しぶりの休日だったので、相棒(妻)と2人で、豊能町にコスモスを見に行きました。
 満員のバスに揺られてヘトヘトになって「コスモスの里」についてみると人でいっぱい。ちょっとウンザリして早めに出て、川を見ながら(メダカを探したがいなかった)バス停に出てバスを待っていました。
 ふと下を見ると、カマキリが大きなバッタを捕まえたところでした。首とお腹を両手のカマでしっかりはさみこんで、もう逃げられそうにない。バッタが後ろ足だけで必死に飛んで逃げようとしてもカマキリは離れない。そのうちバッタの後ろ足を食いちぎり、黄色いはらわたを引きずり出し、羽を付け根からかじる。それでもバッタは触覚をふるわせてもがいている(昆虫は頭・胸・腹にそれぞれ脳と筋肉があるような動物なので、頭だけになってもしばらくは生きている)。
 相棒はチラッと見ただけで「バッタかわいそう」と言って向こうに行ってしまいましたが、山本はバスが来るまでじっと見ていました。バッタはかわいそう? ……この場面だけを見ればそうかもしれないけど……

 NHKの「生きもの地球紀行」で、以前ライオンの話を見たことがあります。
 ライオンは戦えば強いけれど、エサが取れなければどうしようもなく、動かない草を食べるウマなどと比べて生活は不安定で落ち着かない。生物学的に言うと、ライオンはウマに支えられて=カマキリはバッタに支えられて、生きていることになります。さらに言えば
 「全ての動物は植物(光合成で有機物=養分を作る生産者)に支えられている」というのが常識です。
 食われるバッタは、食われるより多くの子どもを残す力があるから、滅びずに生きていけるのです。カマキリはバッタを全部食べるほどの数がいない(生き残れない)から、安心してバッタを食べられるのです。……へりくつかな?

 見かけだけの光景で「かわいそう」とか「助けたい」とか思うのは、生きものの摂理(根本にある理屈)からするとちょっと違うような気がします。
 例えば「クジラは賢い動物だから食べるのはかわいそうだ」なんてどうかな? みんなはそう思いますか?
 人間は上の理屈から外れてしまっている動物なので、いちがいにカマキリやライオンと同じには考えられません。人間は生きるため以外の目的でも生きものを殺すからです。カマキリに食われるバッタよりは、毛皮目当てで殺されるミンクの方がよっぽど「かわいそう」だと思うのはヘンかな?

 気持ちだけでものごとを考えると、いざという時に人にだまされやすくなることもあります。自分の気持ちが理屈にあてはめたときにどうなのか、冷静に考える力を持って欲しいと思います。(1996/10/15)


 ありがとね

   中3の授業で、「地震の震度は0から7までの8段階で……」と言っていたら、
   「先生知らないの?今度変わってんだよ」と生徒に言われビックリ。
   調べようと思っているうちに次の中3の授業になってしまい
   「今度までに調べておきます」と言ったら、
   何とその授業のすぐ後、新聞記事を持ってきてくれた人がいました。
   さすがだね。どうもありがとね。
 


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