自分の道をさがすこと−−−生徒への返信

 あらためて、高校入学おめでとう。最初は何かと慣れないことが多いでしょうが、今はどんなことにも新鮮な気持ちでのぞめるでしょうから、あまり心配はしていません。体だけは大切にして欲しいと思います。(ちょっとオジサンくさいですね)
 お手紙をくれて本当にありがとう。山本にとってはみんなが合格したことより、「この塾にきてよかった」と言ってくれることの方がうれしいです。この1年間自分がやってきたことに意味があったという証明のようなものだからです。これからも何かあったら相談に乗ります。いつでも来て下さい。

 高校は中学と比べると勉強も難しくなるけど、自分の自由になる空間や時間が増えます。学校や塾での勉強はありますが、中3と比べると(少なくとも初めのうちは)時間としてはラクです。その分クラブやバイトにのめりこむ人もいるし、遊びまくる人もいます。山本は高2の終わりまではクラブ一本やりの高校生活でした。そのことにあまり後悔はしていませんが、もっと色々なことをしてみてもよかったかなあ、とも時々思います。
 高校生のうちに一番して欲しいことは、学校の勉強ではありません。もちろん落第するのは困りますが、学校の授業はまじめに受けていればできて当り前のものです。それよりも、自分のこれからのことについて真剣に考えて欲しい。
 高校入試の時は「何のために高校に行くのか」とはあまり考えません。何となくみんなが行くから、でもいいと思います。でも大学は何となく行くところではありません。自分が何の勉強をしたいのか、何を身につけたいのか、どんな仕事をしたいのか、そんなことをじっくり考えてからでなければ、志望校や学部を決めるべきではありません。大学に行くことが偉いわけではなく、受験勉強をバリバリするのが偉いわけでもありません。ミエとか金モウケのためなら大学に行くのが絶対トクですが。

 高校の勉強はそんなに難しくはありませんが、大学入試のための勉強は大変です。自分でこうしたいという意志がなければもちません。今すぐ「これから大変だぁ」と考える必要はありません。まずは自分のことをよく見つめ直して下さい。
 自分のいいところ・悪いところは何か。どうしたらいいところを伸ばせるか。
 自分のことを一番理解している人は誰か。その人ときちんと話せるか。
 他人のいいところ・悪いところを冷静に見ることができるか。
 他人の気持ちをどのくらい理解できるか。理解しようとしているか。
 自分が尊敬している人は誰か。どんなところを尊敬しているのか。
 自分はどんな人間になりたいのか。どんなところを生かして仕事をしたいのか。
 仕事でなくてしたいことはどんなことか。
 ……ということについてじっくり考える時間を作って下さい。これは授業の中でだけではなく、クラブ・バイト・友だちや先生との何気ない話・色々な本を読むこと・身の回りにいる大人に話を聞くこと、などでできることです。
 高校のうちに一度は考えてみて欲しいのです。結論が出ないかもしれないし、いやになってしまうこともあるかもしれません。急ぐ必要はありません。答がすぐに出る人はいないし、大学を出る頃に答が出るくらいが普通です。
 山本は高校時代の夢と今やっていることはまるっきり違います。途中で道が変わることなんていくらもあります。ただ自分のことを考え続けることはやめないで下さい。
 元気でね。またどこかで会いましょう。(1997/4/15)


 彗星やーい

   中2の授業で金星の話をしていたら
   「今ヘールボップ彗星見えるやん。みんなで外に見に行こう!」
   という人がいました。
   ホントに見えるならそれもよいなぁと思って教室の窓からのぞいてみましたが、
   しっかり松坂屋のかげになって見えませんでした。残念!
   もうすぐ見えなくなってしまいますが、
   チャンスがあったら、日が暮れた頃北西の空の低いところを見て下さい。
 


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