先生の記憶

 6月からクラス替えがあります。中1と中3では山本の授業でなくなる人もいます。
 クラスが替わる人には色々な思いがあるでしょう……が、成績が上がったか下がったか、どちらにしてもあまり考え過ぎない方がいい。クラス替えは本人のかまえ方次第でプラスにもマイナスにもなります。いいクラスになったから成績が上がるとも限りません。新しいクラスの中でどう考えたら自分がリラックスして力を伸ばしていけるかを考えて下さい。
 クラスが替わると先生も替わるので、期待と不安(?)を持つかもしれません。使う教科書も解く問題も同じでも、教え方は少しずつは違うものです。学校も塾も、生徒が先生を選べないというところは不自由ですね。

 山本もいくつかは先生の思い出を持っています。
 小学校の3年の時担任だった先生は「努力」が口グセで、何かあると「一生懸命やればそれでいい」という人でした。小さい頃習字の練習で、自分の身長の分だけ習字の紙を積み上げるまで書くということをしたそうです。そういう話が自慢に聞こえなかったほど先生としても一生懸命だったように思います。
 中学の時、とてもきれいな女の先生に理科を教えてもらいました。山本はずっと理科係をして、実験道具の準備や片付けをしていました。よく試験管を割ったりしましたが、叱られてもウレシイのでした。中2の終わりの頃友だちと家まで遊びに行ったとき、物腰の柔らかいお母さんが出てきてごちそうしてもらったのが忘れられません。……が、中3になった途端に突然結婚退職。あんまりだ!と思うのは生徒の身勝手か?
 高校になるとクセのある先生が多くて、合わせるのが大変でした。古典の先生は「典子」という名の先生で、みんなからテンコちゃんと呼ばれていましたが、優しい顔できついことを言う人でした。「山本君、次の試験で30点取れないと落第だよ」でも古典が苦手だったのは先生のせいではなかったように思います。
 物理(理科)の先生は"熱血"という言葉がピッタリの人で、生徒会の指導でもお世話になりました(山本は生徒会の議長をしていた)が、興がのると話が脱線し続けてかえって面白かったり(大学で習うようなアインシュタインの話;光より速く動くと時間が逆戻りする;とか)しました。帰りの地下鉄で一緒になったりすると、自分の好きな話題について幾らでも話しかけてくるのでした。でもそのとき聞いた話の1つは印象的で今でも覚えています(いつか話す機会があると思います)。
 英語の先生は2人いて、1人は権威主義のカタマリのおじいちゃん(失礼)でした。何かというと「ワシが出た1中(昔の名古屋の名門高校)では……」と言う人で、話は結構面白かったのにどうしても先生は好きになれませんでした。もう1人の先生はとてもやさしい女の人で、山本はあまりできはよくなかったけど、試験前に聞きに行くと時間をかけて教えてもらったり、何かとかわいがってもらいました。高校の卒業式の時、「山本君、学生運動なんかに入らずに、ちゃんと卒業してきちんとした仕事をしてね」と言われたことをよく覚えている……のは、自分が道を踏み外した後ろめたさがあるからかな?
 でも今から思い出すと、一番お世話になったのは何と言ってもクラブの顧問の先生だったと思います。小学校の水泳部、中学校のサッカー部、高校のバレー部の顧問の先生はみんなほとんど休みがなく、ひたすら練習につきあっていました。自分が教師として顧問になったとき、夏休みがほとんどクラブでつぶれていくのがどんなにしんどいか、やっとわかりました。今さらながら 感謝、です。

 学校にも塾にも色々な先生がいるでしょうが、どんな先生にもいいところはあります。
 と言うよりも、どんな人間にも必ずある「その人にしかないいいところ」を友人や先生の中に見つける力も身につけてほしい(難しいけどね)。人間だから好き嫌いはあって当然ですが、嫌いな人=悪い人 にしてしまうのはまずい。塾の教師がこんなことを言うと言い訳にしかなりませんが、中3とか高校生くらいなら「教師からいいところを探して盗む」ということも考えてみて下さい。

 「勉強クラブ」の顧問のような自分が、どれだけちゃんと先生として仕事ができているのか、非常に不安です。記憶に残ることが教師の誇りではない、とわかってはいるのですが、オボエテイテクレタラウレシイナアくらいのわがままは持っています。それだけのことをしていればいいなぁ……とか。(まだスランプなのだろうか?)
 クラスが替わっていく人には、とにかくがんばってもらいたい。下がってしまった人は「できるだけ早く」戻ってきて下さい。担当からはずれても、相談にはいつでものりますので、何かあったら声をかけて下さい。(1997/5/27)



 なぜにごる????

   中2の授業で「水の電気分解」を見せました。
   ちゃんと泡は出てよかったのですが、
   なぜか水がどんどん茶色になって濁っていく???
   炭素棒が溶けているようなのですが、どうも理由がよくわからん。
   「ホントはうまくいくねんで」と言い訳しながら、泣きたいような気分でした……
   が、後で中2の人が「後の授業でもにごった?」と見てくれたのは、
   チョッピリうれしかったです。
 


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