高校の紹介文


 去年中3のときに教えていた人と話していて、「自分の高校のことをわかりやすく書いてくれたら、中学の後輩にとってとてもいい参考になるのだけど……」と言ったら、ある人が書いて持ってきてくれました。ありがたいことです。I高校の1年生の作文を紹介します。

 高校に入学したばかりだと思っていて、気がつくともう年が明けていて、まもなく私も高2になってしまうわけですが(進級できればの話)。受験生の人たちは今が一番大変なときでしょうね。何をするにも緊張と不安でいっぱいでしょうが、一番大切なときでもあるので、落ち着いて自分の力を信じてがんばってください。
 合格体験記っぽくなってきたので、本題。公立高校をどこにするか迷っている人のために、私の行っている学校を紹介します。

 私の通っているI高校は、何年か前から校舎を新装する工事を行っていて、幸運なことに私たちが入学すると同時に完成したので、私たちの年から新校舎に引っ越ししました。外から見るととても立派できれいな建物なので、一度見に来てください。今年の大学入試のセンター試験会場にも指定されたほどキレイです。実際は、中はかなり汚くなっちゃいましたが、でも新入生が入ってくる時期には生徒が一生懸命大掃除するので多分キレイですよ。
 そして私がはじめに思ったのが、I高校の校風が本当に自由だということでした。たとえば、体育祭や文化祭などの行事がすべて生徒の手で自由に行われるということ。体育祭では、競技は意外と少なく応援団やマスゲームなどの順位争いにみんな力を入れます。先生はというと、テントの日陰のイスに座ってもっぱら観戦。唯一目立つ先生といえば、あいさつするときの校長先生です。このように先生は何一つ口出ししないかわり手伝ってもくれないので、楽しいけれどしんどいですが。でも自分たちでやり遂げた後の満足感はやってみないとわかりません。
 あと、授業中にも自由を感じるときはあります。中学の時と違って、寝ていても特に何も言われませんが(言う先生もいるけど)、寝ててついていけなくなっても知らんぞと、そういう考えなのかもしれません。高校は休み時間ならお菓子を食べても早弁(放課中に弁当を食べること)しても歌っても踊っても怒られません。マンガもウォークマンもゲームボーイも休み時間なら怒られません。中学だと持ってくるだけで呼び出しがあって、HRでよく私の名前が挙がったものです。あと、遅刻しても私の学校は特に何も言われません。3回以上遅刻したら校門に名前張り出しとか欠課がつくとか、そういうことは何もありません。そういう学校は珍しいそうです。運がよければ時々「休講」というものがあります。先生が休みとか出張のとき授業が休みになるのです。その時に課題が出ないのはI高校だけだと聞いています。

 クラブですが、ブラスバンド部から昆虫部まで幅広く文化系・体育系ともに多くのクラブがあります。どちらかというと体育系のクラブの方が盛んなようです。体育系は試合や合宿等をひんぱんに行っています。それに音楽系クラブでは年5回程度のライブを定期的に行っています。文化祭や各期芸術祭では、クラブとは関係なくバンドを組んでライブを行うこともできます。先生もバンドを組んで『教員バンド』としてライブをやっていたりします。このように、この高校には生徒も先生も一体となって遊ぶ(学ぶ)ような雰囲気があります。
 施設のことですが、プールは室内プールです。とにかく大きくて深〜いプールです(山本注;50mコース)。エレベーターもあります。重いもの等を運ぶときに便利です。普段も遅刻寸前のときや倒れそうなときに幅広く活用されています。
 I高生というと、厚いメガネに三つ編み……想像している人がいるかもしれませんが、実際は本当に普通の高校生ばかりです。たしかに色々な人がいて、みんなよく勉強しますが、同時にクラブを熱心にやっている人も多く、そうでなくても何か自分のやりたいことを一生懸命やっている人ばかりだという気がします。ごくまれに、自由な校風にどっぷり浸かって怠ける人もいます(私です)。一度I高校に来てみると、きっとイメージが変わります。私みたいな怠け者でも入れる学校なんだから、受験生のみなさん安心していいですよ。(山本注;安心してはいけません)

 ダラダラ書いてしまってごめんなさい。I高校についてはきっとまだまだ特徴があると思います。なにせもう百数年も歴史がある学校ですから……忘れてたけど、あのノーベル文学賞作家の故川端康成さんもI高校出身です。歴史を探ってみるのもまた楽しいかもしれません。  これを読んで少しでもI高校へ行きたいと思う人が増えてくれると大変うれしいです。そして本当に合格した際には、クラブはわがFusion(フュージョン)同好会に入ってくださいませ。私、副会長でございます。この部には私のようなやさしくて美人の先輩がいます。(山本注;これは本当です)一緒に遊びましょう。
 それではみなさん、この塾の先生を、死なせない程度に存分にかつ上手に利用して、輝かしい春を迎えましょう。くれぐれも健康には気をつけて。
(1998/1/22)


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