やっぱり……てほしくない その2


 1年に1回か2回ですが、塾のトイレからタバコの吸い殻が出てきます。誰か生徒がトイレで吸っているのでしょう。そのたびに先生たちは誰だろうかと調べたり「吸ったらアカンぞ!」と注意することになります。
 「タバコを吸ってはいけない」というのは、法律で決まっているからでしょうか。塾の先生で休憩時間にタバコを吸う人もいるので、「誰でもいつでもタバコはダメ!」ではないようです。
 以前、タバコを吸っていた高校生に「なぜ吸うの?」と聞いたとき、はっきりした答は返ってきませんでした。どうも、ムシャクシャしたときにタバコを吸うと頭がクラクラして気分がスッキリ? する、ということのようです。でも初めて吸ったときにはそんなふうにはならないのが普通です。タバコを吸うとオトナになったような気がしてカッコよく見える、という気持ちもあるのでしょう。
 山本には、手がヒマになると髪の毛を引っ張るというヘンなくせがあります。中学生あたりからくせになりました(実はもう1つヘンなくせがあるのですが、……恥ずかしくて書けません)。同じように、爪をかんだり服をもてあそぶ人もいます。こういうくせは要するに赤ちゃんの指しゃぶりと一緒です。タバコを吸うのもこういうくせの中のひとつです。オトナが指をしゃぶっても悪いとは思いませんが、タバコを吸うのが指しゃぶりと同じだとしたら、かっこいいとは言えませんね。タバコのコマーシャルなどで、タバコを吸っている人がかっこよく見えるのは、タバコを買って貰いたい人のたくらみが入っているからです。
 それでもタバコを吸う人が多いのは、一度くせになってしまうとなかなかやめられないからです。中毒性といって、吸っていないとイライラしたり落ち着かなくなってしまうのです。山本の父親も禁煙するのに1年くらいかかりました。タバコをやめてから20年して亡くなったのですが、解剖してもらったら肺はタバコのヤニで真っ黒でした(ちょっとこわかった)。タバコを吸い始める年齢が若いほど、中毒もひどくなるし体への影響もひどくなります。中学生や高校生がタバコを吸うのは、肺ガンになるための人体実験をしているようなものです。今みんなのしている勉強が将来絶対役に立つかどうかは保証できません(!)が、20才までの間にタバコを吸えば、ほぼまちがいなく体に悪い影響があります。後で後悔しても戻せません。
 タバコを吸いたくなるのは、イライラしたりムシャクシャしたりするときが多いようです。イライラすることは誰にでもあります。ムリにそういう気持ちを抑え込んでしまうと、体のどこかにイライラ(ストレス)がたまって病気になったりすることがあります。どこかでストレスを発散できればいいのですが、スカッとする方法は人によって違うので、自分で見つけておかないといけません。オトナはカラオケに行ったりお酒を飲んだりタバコを吸ったりしていますが、みんなにはみんななりの気分の直し方・発散の方法があるはずです。山本は……子どもの頃は、ゲームセンターに行ったり(シューティングが好き)、自転車で遠乗りしたりしていました。エレクトーンで好きな曲を2時間くらい弾いたこともあります(音楽はけっこういいかも)。友だちにグチを言う手もありますね。
 タバコを吸うのは、自分の意志で寿命を縮めていることです。自分をあきらめている人でなければ、吸ってほしくありません。かっこいいと思ってほしくもありません。法律とかではなく、今のオトナより賢くなってほしいみんなだからこそ、せめてもっといい「指しゃぶり」を考えてほしいです。(1998/11/17)

<タバコを勧められたらこう断ろう〜高校生アンケートより〜>
・部活をやってるから        ・身長が伸びなくなる
・肌が荒れる、髪が汚れる      ・肺が弱いから
・一緒に心中する気はない      ・ガンになりたくない
・イヤじゃないけど吸わないことにしてるから
・全身がくさくなりそうと答える   ・ウーロン茶がいいと言う
・今や世界ではほとんどの人が吸わなくなっていることを言う
・正直に、自分が煙が大嫌いなことを言う
・タバコを吸うと鼻毛が濃くなる
・タバコなしで生きられない状態に陥りたくない   などなどなど

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