割合の考え方
理科や算数・数学では
1あたりの量というのが多く出てきます。たとえば
- 速度(速さ)=1時間あたりに進む距離
- 密度=1p3あたりの質量(重さ)
- 濃度=食塩水1gあたりに溶けている食塩の重さ
- 電気抵抗=1Aの電流あたりを流すのに必要な電圧(V)
- クラスの平均点数=1人あたりの点数
- 圧力=1p2あたりを押す力
- 人口密度=1q2あたりの人口
などなど
これらの単位を計算するための公式は全部同じ形をしています。したがってバラバラに覚えるのでなく、式の理屈をわかっておくとまとめて覚えることができて便利です。
公式は3通りありますが、元になる式は1つだけです。ここでは速さの公式を例にとって、もとになる式から残りの2つの式をつくる方法を説明します。
| 中学生用 | 小学生用 |
もとの式 | 距離 速さ=━━ 時間 | 速さ=距離÷時間 |
ここから「距離=」の式と「時間=」の式をつくってみましょう。
まず右辺と左辺を逆にして
| 中学生用 | 小学生用 |
逆にした式 | 距離 ━━=速さ 時間 | 距離÷時間=速さ
|
この式から
中学生用は両辺に「時間」をかけて、小学生用は□の式の理屈で(ここはよく考えよう)、
| 中学生用 | 小学生用 |
2番目の式 | 距離=速さ×時間 | 距離=速さ×時間
|
もう一度左右を逆にして、
| 中学生用 | 小学生用 |
逆にした式 | 速さ×時間=距離 | 速さ×時間=距離
|
この式から
中学生用は両辺を「速さ」で割って、小学生用は□の式の理屈で、
| 中学生用 | 小学生用 |
3番目の式 | 距離 時間=━━ 速さ | 時間=距離÷速さ
|
「もとの式」を覚えておけば、2番目・3番目の式はいつでも自分でつくることができます。3つとも形を覚えてしまう手もありますが、いざというときのためにも「つくることができる」ということは知っておいてほしいです。
いくつかの例で、もとの式から2番目・3番目の式をつくってみましょう(自分でやってみてください)。
| 中学生用 | 小学生用 |
@ | 食塩 濃度=━━ 溶液 | 濃さ=塩の重さ÷全体の重さ |
A | 人口 人口密度=━━ 面積 | 人口密度=人口÷面積 |
B | 合計 平均=━━ 人数 | 平均=合計÷人数 |
C | 質量 密度=━━ 体積 | 密度=重さ÷体積 |
D | 温度差 水の熱量=━━━ 質量 | 水の熱量=温度差÷水の重さ |
E | 電圧 抵抗=━━ 電流 | 抵抗=電圧÷電流 |
見たことのない式もあるでしょうが、実際には意識していないだけで、こういう式を使っているわけです。
一度こういう式の変形をやっておくと、いざというときに役に立つこともありますよ。たまには? 家でこんな計算の工夫を試してみるのもムダじゃないと思います。(1999/1/19)
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