卒業に贈る言葉


 中3の人はもうすぐ公立高校入試で、これが終わるとひとまず卒業ということになります。この1年は、みんなにとってどんな時間だったでしょうか。
 山本は去年の9月までは、中3の授業から離れていました。体をこわして仕事を休んでいる間、生徒の何人かからお手紙をもらいました。何よりの励ましでした。今でも感謝しています。その手紙を読んで「絶対中3の授業に戻るぞ!」と思えました。
 10月 授業に戻った時はとても緊張しましたが、やっぱり「受験生の一生懸命さ」の中にいられるのがうれしかったし、それからの5ヶ月あまりをこうして一緒に過ごせたのは山本にとっての支えでした。今年の中3には本当に「ありがとう」を言いたいです。
 この学年には小6から知っている人や中2から教えている人など、つきあいの長い人がたくさんいます。中2の初め頃とくらべると、みんなずいぶん変わったなあと思います。今の成績がどうであるにしろ、自分が納得のいくような勉強をしてくれたら、そのために山本が少しでも役に立てたなら、言うことはありません。

 どんな結果が出るにしろ、もうすぐ高校生です。高校が中学と一番違うのは「自分のしたいこと・するべきことを自分で考えて行動して、その結果に自分で責任を持つ」ということでしょう。今までのような受験勉強から離れてホッとするのはいいですが、これからは自分で自分の目標をつくらなければなりません。"(偏差値の)いい大学へ"と思う人もいるでしょうが、もちろん高校生活はそれがすべてではありません。自分がどんな人間なのか、どんな仕事に向いていそうなのか、何をしていきたいのか、そのためにはどんな勉強(学校の勉強とは限らない)をしなければならないのか。そんなことを考えた上で、高校の後のことを決めるべきです。高校は「自分の成績に合わせて何となく」決めても大きなまちがいはあまり起こりませんが、大学はそうではありません。
 高校には色々な先生がいるし(多分中学の先生よりも"変わった"人が多いですよ)、今までよりも色々なタイプの友人もできます。クラブもハードになりますがその分いい経験もできるし、一生つきあえる仲間もできます。
 みんなにはいい友人・いい先生・いい本を探すことを望みたいです。どんな学校でも、生徒のことをわかろうとしてくれる先生は必ずいます。しんどい時に相談相手になりそうな先生を見つけておいてほしいです。
 高校時代に読んだ本は、一生頭の中に残って財産になります。山本が高校に入った時、普段はうるさくない父親から「500ページ以上の本を高校のうちに5冊以上読みなさい」と言われ、いやいや文学全集から選んで「赤と黒」「戦争と平和」「チボー家の人々」「嵐が丘」を読みました(一冊足りなかったけど許してもらった)。細かいところは何も覚えていないのですが、そのとき読んだ文章の"破片"みたいなものが心の中に残っていて、自分が文や詩を書く時の助けにもなっているし、自分の中に新しい自分が生まれたような気がして、妙にうれしくなったりします。
 高校に入って塾から離れる人も、気が向いた時に顔を見せに来てくれたらとてもうれしいです。勉強や進路の相談にものれるし、山本もみんなから高校の話を聞きたいです。塾で高校のテスト対策(無料!)などもあるので、そういうときにまたみんなと会えたら……とも思います。
 あなたたちとの出会いを、山本自身の財産にしていきたいと思っています。元気でね。(1999/3/8)


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