疑問に答える


 理科についての質問をいくつかもらったので、ここで答えたいと思います。

緊張すると胃が痛くなるのはなぜか?
 胃は食物を消化するための胃液を出しますが、この液は大変強力で(塩酸を含む)、「胃」そのものを溶かす力も持っています。胃が溶けては困るので、普段は胃液を出す前に、胃の壁を守るための特別な粘液を出しています。しかし緊張した時には、粘液の準備が十分できないうちに胃液が出ることがあります。そうすると胃液が胃の壁を部分的に溶かして、その時に胃が痛くなるのです。これがとてもひどくなると「胃潰瘍」といって、胃に穴があく病気になったりします。

緊張すると心臓がドキドキするのはなぜか?
 心臓の鼓動の速さを決めているのは、自律神経というものです(中学では習いません)。この神経は、自分で意識しないうちに体の調節をしています。たとえば「おなかがすいたらそれを脳に知らせる」とか「暑くなったら汗を出す」とか。そういうことの中に、「体が緊張したら全身を"戦闘状態"にする」というのがあります。人間の祖先がサルのような生活をしていた頃、緊張するのは敵と戦うか逃げる時でした。つまり激しい運動をする時です。したがって全身にたくさん血液を流して、酸素や養分をどんどん補給しようとするわけです。それが今でも習性として残っているので、緊張すると体が「緊張状態」になり、心臓がドキドキするのです(鳥肌が立つのも同じ理屈です)。好きな人と一緒にいる時ドキドキするのも「戦闘状態」になっているからです。なんだかヘンですね。

海の水はなぜ塩辛いか?
 塩は正確には「塩化ナトリウム」、塩素とナトリウムが化合した(結びついた)物質です。塩素はもともと気体で、今から45億年前、地球ができてすぐの頃には、地中から塩素ガスが噴き出していました。一方ナトリウムは岩石中に多く含まれていました。
 塩素は水に溶けやすく、水と反応して塩酸(塩化水素)をつくります。この塩酸は、ナトリウムを含む岩石を溶かします。この時塩酸とナトリウムが反応し塩化ナトリウムができたのではないかと言われています。
 ただしこういう大昔の話には、決定的な証拠がありません。もしかすると本当は全く違う理由かもしれません。疑い深い(?)人は、将来本当の理由を研究してみるのも面白いでしょう。もし本当の理由が見つかれば、大発見ですよ(有名になれるかも?)

人魚と半魚人はどう違うか?
 これは山本にはわかりません。みんなからいいアイディアをもらいたいと思います。面白い答があればこの通信で発表します(ギャグもありにしましょう)。宿題チェックシートに書いてください。

 どんな内容であっても、質問をする人は、理科の力が伸びる可能性大! です。何にしろ疑問や興味を持つことは、賢くなる第一歩だからです。不思議に思う心を大事にしてほしい。わからないことは恥ずかしいことではありません。わからないことをそのままにしておくのが恥ずかしいことなのです。色々な質問をしてくれたら山本もうれしいです。


 植林に行ってきました
 日曜日、茨木に植林のボランティアに行ってきました。
 大学の頃 植物採集に行ったことはあるのですが、実際のところ植物の名前はよくわかりません。植物の勉強をしたいなあ……というのと、たまには景色のいいところへハイキングに行きたい! という連れ合い(妻)の思惑が一致したわけです(不埒?)
 朝9時、茨木の駅から車で出発。1時間弱北へ走り、忍頂寺というところで集合。みんなけっこうおじさん・おばさん(失礼)で、山本は2番目に若いくらいでした。カマとクワを持ち20人ほどで山へ。10分ほど歩く間、「ほら見てごらん、あれがシャガだよ」「これがイタドリで、茎をこういうふうに食べたらおいしいんですよ」などなど色々教えてもらいました(覚える自信……なし)。メモを取ろうかと迷っているうちにみんなズンズン歩いていってしまう。山本の速い授業を受けているみんなの気持ちがわかるような気がしました。
 山の中腹の目的地に着き作業開始。3月中旬に植えたヒノキを見て、倒れそうな幼木に添え木をしたり下草を刈ったりするのですが、どうも要領がわからず、おじさんについて最初は見ているばかり。山の斜面を上り下りするのは大変しんどい。1時間で限界に達してしまいました。斜面の下の方にシイの木が積んであり、見たこともないような大きなシイタケが生えていました。妻はまわりのおばさんにつられてシイタケ狩りを始め、山本はフラフラになって座り込んでしまいました。昼食を挟んで3時までタラタラ作業をしましたが、終わった時はほとんど倒れかけ。あー情けなかった。いかに運動不足かを思い知らされました。
 でも妻の力作お弁当はおいしかったし、高槻から吹田まで見渡せる景色がとてもきれいで、シイタケとワケギとタケノコまでもらったし、何回も通えば植物や虫や鳥の勉強もできそうなので、時間がある時にまた行ってみるつもりです。面白い生きものをとってきたら、みんなにも見せてあげたいです。

(1999/4/27)


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