悩みは恵み
「ノイローゼについて書いてほしい」という人がいたので、色々本を調べたりしてみましたが、山本にはこのテーマで書く自信がありません。
みんなは年齢からすると、思春期に入ったくらいのところです。自分のこと、友だちのこと、異性のこと、将来のこと、色々なことで悩んだりするのが当たり前です。高校生になっても悩みが何もないという人は、かえって心配です。
でも、あることについて悩みすぎてしまって、他のことが手につかなくなってしまうのも、ちょっと困りますね。悩みが頭から離れなくなったら、どうしたらいいでしょう。
誰かに話すのは、たいていいい方法です。自分のまじめな悩みを話せる友だちはいますか? 親に言えないことでも話せる人がいますか? いいアドバイスがもらえなくても、自分の気持ちを誰かに聞いてもらうだけでも、ラクになることが多いです。山本はあまり力になれませんが、話を聞くくらいはしますよ。
山本は昨年、仕事のしすぎで体をこわしました。ワーカホリック(仕事依存症)という心の病気です。「仕事をしている自分に酔う」という状態で、最後は過労でつぶれました。今でも週に1回カウンセリングを受けて、カウンセラーに話を聞いてもらっています(高い!)。薬みたいにすぐ効くというものではないですが、自分の状態を確かめるには役に立っています。最近は学校にもカウンセラーがいるようですが、みんなにもうまく利用できるといいですね。
昨年ある本を読んでいて「悩みは恵み」という言葉を見ました。
たとえばお腹が痛いというのは、内臓のどこかに異常があって放っておくとまずいということを教えてくれているわけです。ガンがこわいのは、大きくなるまで痛みがあまりなく気がつきにくいということもあります。痛みがない病気ほどひどくなりやすいのです。
悩みというのは「心の痛み」のようなものです。自分の心に何かムリがあると、それがイライラや悩みになったりします。それをガマンし続けると、心の中のゆがみがだんだんひどくなってきて、突然爆発したりすることもあります。それを防ぐためには、悩みを「自分の心からの警告」として受け止めることも必要だということです。
参考になりそうな本を紹介しておきます。別に特に悩みがなくても、人間の心のしくみを勉強するのは面白いと思います。その気があるなら本屋や図書館で探してみてください;
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「ブッタとシッタカブッタ」シリーズ 小泉吉宏 メディアファクトリー編 仏教の教えが入っていますが、小学生でもわかるし色々参考になることも載っています。
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「こころの処方箋」河合隼雄 新潮文庫 中学生なら読んでわかる程度の本です。みんなくらいの年齢の人のための文章もたくさん載っています。心理学者として有名な人で、他にもたくさん本を書いています。興味がある人は調べてみるといいですよ。(1999/6/22)
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