韓国旅行記


 夏休み妻と2人で、2泊3日で韓国のソウルに行ってきました。
 初めての関西空港へは家から電車で1時間半。寝不足で飛行機の中で居眠り。ソウルの金浦空港に出迎えに来てくれたのは、笑顔が素敵な20代後半? の朴(パ)さん。歩くのが速くてついていくのが大変だった。
 ソウルは緯度が仙台と同じくらいで、8月でも全然暑くなくて気持ちいい。この時期の避暑にはいい場所だなあ。
 1日目は買い物と都心歩き。日本からソウルに来る人は「買い物+食事+エステ+ちょっと観光」という人が多いみたい。日本のお金が使える免税店には日本人が充満していて、日本より安いブランド品を買いあさっていた。なんだかなあ。
 山本と妻はブランド品には興味がなくて、韓国の特産品を探してみた。塩ノリとキムチとカルビと高麗人参、食べ物以外だと焼き物と人形、紫水晶などなど。あんまり種類はない。
 南大門(ナンデムン)通りに行くと、道いっぱいに服や野菜を並べていた。元気はいいけどちょっと売り声がうるさい。ブタの頭を売っていてビックリ。同じ種類の店がたくさん並んでいた(薬局が6軒続いていた)のも面白い。一見さんはどの店を選ぶんやろ?
 地下鉄が便利でよく乗ったが、地下に降りる階段に脳性マヒの人や足のない人やお年寄りが座っていてお金をもらっていた。少しショック。地下街は日本と大体同じ雰囲気かな。
 女の人同士で腕を組んで歩いているのがやたらと目立つ。こういう習慣の違いはあるんだねえ。夜11時過ぎても大通りは若い人でいっぱい。喫茶店に入ると20代くらいのカップルがたくさんいてイチャイチャしてる。おじさんには目の毒やー。昔の渋谷みたい。街全体が若い感じだが、お年寄りはどうしているのだろうか。
 東大門(トンデムン)のデパートで妻の靴(4800円)と山本のズボン(1800円)を買う。全体に物価は日本より安いけど、ブランドの靴あたりになるとあまり変わらないか? 日本は韓国より給料が高いというが、物価と合わせて考えたら差し引きどうなるんだろう。
 1日目の昼食はピビンバ(混ぜご飯)で、これはあんまり辛くない。おかずとご飯に分けないでとにかく混ぜて食べるのが韓国流らしい。夕食はプルコギ()ヘルメットみたいな鍋に肉をのせて焼き、葉っぱにのせて巻いて食べる)。余分な油が下に落ちるのでくどくなくおいしい。肉だけでなく野菜をかなり食べるので、日本の焼き肉より体にもよさそう(日本の韓国料理の店とはだいぶ違う)。キムチは日本のものとそんなに違わない。ケジョンというワタリガニのトウガラシ漬けを何気なく食べたら、これは辛い! あと生のニンニクが出たりして、このへんはさすが韓国か。韓国流の冷麺は日本で食べたものより麺にコシがあっておいしい。スープの味のなんとなく違う。味つけではなくて、野菜そのものの味が違うような気がする……

 2日目は朝から板門店へ。板門店とは韓国と北朝鮮の国境にあり、両方の国の話し合いが行われる場所。
 太平洋戦争が終わり日本の支配から解放された朝鮮が、ソ連とアメリカ合衆国の力競争に巻き込まれ、2つの国に分かれてしまってもう50年以上。同じ家族が南と北に別れて会えないままの人もいるとのこと。(日本が北と南に分かれてしまうことを想像してみてください)
 板門店までソウルからバスで2時間足らず。ガイドさんが朝鮮戦争の歴史について話している間、結構寝ている人も多い。山本も途中で眠気に勝てずウトウト(ゴメンナサイ)。
 まず米軍と韓国軍のキャンプで、米国軍人の運転する専用バスに乗り換え。ここから先は貴重品とカメラ以外持ち出し禁止。韓国と北朝鮮との境界線上の会議場に行くと、建物の外にヘルメットをかぶった韓国の兵士と北朝鮮の兵士が向かい合っている。(韓国では19才から、北朝鮮では17才から徴兵される)
 会議場の中に北と南の境界線があって、ガイドさんが「兵士さんにまともにカメラを向けないでください。」許された場所以外に行くと生命の保証はできない、とのこと。こわい。でもここでずっと勤務している兵士はどんな気持ちなんだろう(みんなには想像できますか?)
 帰りのバスの中で、ガイドさんが真剣な顔で「韓国の人のほとんどが、韓国と北朝鮮が早く1つの国になってほしいと願っています。その気持ちを日本の人にもわかってほしいと思います」。これは胸に響いた(後で名刺をもらいました)。

 2日目の夕食は韓定食という、日本の懐石料理にあたるようなものを食べに行った。ガイドさんと別れて2人だけで、全然言葉のわからないまま地下鉄を乗り継いで店をさがすのはスリルがあった。韓国一のお嬢さん大学の前の駅で降りると、服やアクセサリーの店ばかり。本屋を見たかったのだが、大学の前なのに一見も見当たらない。勉強しないのかな?
 韓定食はそんなに辛くはなく、やたらと量が多い。18皿出てきた。2人とも食いしん坊なのだが、あとからあとから出てくる料理にはさすがに参った。でも隣の席を見ると、30代に見えるおばさんたちがおしゃべりしながらパクパク食べている。日本人ももっと食べないと、サッカーとか勝てないぞー。
 コンビニは日本と同じで、セブンイレブンもロッテリアもある。ホテルの近くのコンビニをのぞいたら『GTO』とか、あと何種類か日本のマンガ(もちろん韓国語に訳してある)が売っていた。マンガ文化は日本の方が進んでいるような気がする。
 3日目の朝、ホテルの近くで何か食べようとして歩き回ってみたが、喫茶店はほとんど開いていなかった。1日目に食べた冷麺がおいしかったので、どこかで食べられないかなと思ってそれらしい店をのぞいてみた。おそるおそる「ネンミョン(冷麺)?」と聞いてみると、おばさんは首を振る。となりで食べていたおじさんが「ラーメン」と言ってくれた(冷麺はやっていなかったらしい)。辛そうなラーメンが出てきたが、これがまたおいしい。これだけおいしいものがあれば、やっぱり韓国の人はよく食べるわ。

 親戚へのおみやげは塩ノリと高麗人参入りチョコレート。塩ノリはなかなかいける。
 緊張したこともあったけど、なかなか面白い旅行でした。(1999/9/7)


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