2000年問題の向こう側


 山本がはじめてコンピューターにさわったのは20年近く前、大学生の時でした。その頃のコンピューターはデータをカセットテープに保存するというもので、少しでも保存するデータの量を節約するために、年号は「1999年」ではなく「99年」という形で入っていました。
 そういう古い形でデータが入っているコンピューターでは、「2000年」は「00年」になってしまい、1900年だか2000年だか0年(!)だかわかりません。それで、2000年になった瞬間にコンピューターが誤作動してしまい、色々困ったことが起きるのではないかと心配されています。これが2000年問題(山本2K)です。
 身近に考えられそうなこととしては、停電や断水、道路の渋滞、電話がつながらなくなる、店に商品が一時的に届かなくなる(ものが買えなくなる)、家の中のデジタル製品の故障(特に時計など。電気炊飯器のセットができなくなることもあるらしい)などです。
 もちろんたくさんの人がコンピューターのプログラムの点検をして、事故が起こらないように考えているのですが、危険がないとは言えません。2〜3日分の水と食糧くらいは用意しておいた方がいい、という意見をあちこちで聞きます。(山本も水だけ用意しました)

 まあ、用心しておいて何も起きなくても笑い話ですむ、と言えばそれまでです。
 しかし、大きな事故が起きなかったとして、それで「2000年や21世紀がおめでたい!」と素直に喜ぶわけにもいかないのが、今の地球の様子です。
 ダイオキシンを始め、生きものに有害な物質が増え続けています。知らないうちにそれらの物質によって被害を受けている人も、実際にはかなりいるはずです。
 オゾンホールが拡がって、紫外線の影響が生物にも出ています。
 原子力発電所の大きな事故が突然起きて、日本に住めなくなるときが来るかもしれません。
 世界中で、人間のために絶滅しかかっている生きものがたくさんいます。
 大阪の飲み水は琵琶湖に頼っています。琵琶湖の水は少しずつ汚れています。いつかこの水が使えなくなったら、京都や大阪には人が住めなくなります。
 その日の食べるものがなくて、栄養失調で死んでいく人が世界にはたくさんいます。
 日本は食糧の半分以上を外国に頼っています。温暖化などの影響で食糧危機が起これば、真っ先に危なくなるのはおそらくこの国です(1998年の日本の食糧自給率は39%)。
 本当にみんなや、将来のみんなの子供たちが安心して暮らしていけるような世の中にするには、まだこれから考えなくてはならないことがたくさんあるのです。
 みんながオトナになったとき、今より暮らしやすい安全な世の中になっているかどうかは、残念ですが山本にはわかりません。人間や生きものすべてが安心して生きていけるような世界にしていくことが、今のオトナのつとめのハズです。山本もみんなにえらそうなことばかり言っているわけにはいきません。この地球で、人間が、生きものが生き続けていくためにどうするべきか、考え行動しなければなりません。そのための武器として使えるような「理科」を、山本自身が学んでいくことも必要です。
 来年は、そういう勉強をみんなと一緒にしていけたらいいな、とも思っています。
 今年一年、みんなにも色々助けてもらいました。ありがとう。来年もよろしく。(1999/12/25)


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