動物園の絶望と野望


 昨年の年末、宮崎に1泊旅行に行きました。
 宮崎と言えばシーガイア? でもプールは高い(4200円!)ので、近くのフェニックス動物園に行ってきました。
 金曜日の午後とはいえ、園内にはほとんど人がいない。放し飼いになっているクジャクの親子があちこち走り回ってかわいい。キリン・シマウマ・トラ・ライオンなど、特別珍しい動物がいるわけではないのですが、すいている分ゆっくり見られるし、飼育員さんが丁寧に説明してくれる。「ボンジュール」をしゃべる九官鳥が出ているのも面白い。ヤギ園でエサをねだる子ヤギがかわいくて、一袋100円のエサを6袋も使ってしまった。アルプスの少女ハイジの気持ちがわかるなー。
 結局この旅行では、この動物園が一番印象に残りました。たまにはこういうところもいいな、と思っていたら、動物園に行った翌日の新聞で「シーガイア再建計画決定・動物園などは売却」という記事を見てびっくり。シーガイアの経営が悪化しているので、採算のとれない動物園などを処分してしまおうということです。確かにあの客の入り方では、どんなに飼育員さんががんばっても、動物園を続けることはできないでしょう。
 世界中で野生動物が減り続け、絶滅の危機にある種類もたくさんいます。動物園には、少なくなった動物を守り増やしたり、人間と野生動物との接点として、動物の生きているようすを人間に見せる役割があります。
 けれど、動物園の経営がうまくいっているとは言えません。日本には90以上の動物園がありますが、この何年かでいくつか廃園になりました。山本も恥ずかしながら、ここ何年か動物園に行ったことがありません。
 また現状では、たとえば1つの動物園に20頭のゴリラを飼うことはなかなかできません。ゴリラは本来群れをつくって生活する動物で、メスは親になる前に他のゴリラの子育てを見て勉強しなければ、うまく子どもを育てることができません。同じように、もっと野生の状態に近くして飼った方がいい動物もたくさんいるでしょう。
 山本は、人に見せるための動物園ではなく、「動物が本来の状態で生きていけるような、動物のための動物園」をつくれないかと思います。アフリカのサファリのように、今の動物園の何十倍もの面積をとって、たとえば北海道に「クマとキツネの楽園」箕面市には「ニホンザルの苑」高槻には「ホタルとサンショウウオの摂津峡公園」……というように、それぞれの場所に動物が安心して住めるような場所をつくったらどうでしょうか。日本中のどの動物園でもゴリラが見られるのもいいですが、「日本でゴリラが見られるのは吹田だけ」となれば、日本中からゴリラを見に人が来ていいかもしれません。人間の都合で無理やり動物を飼うのでなく、動物が自然の中で生きているのを人間が「のぞかせてもらう」という方が、自然を守る考えには合っていると思います。
 ↑上の考えは、ロフティングという人の「ドリトル先生の動物園」という本を読んで考えついた"野望"です。ドリトル先生シリーズは大変面白い本で、高校に入ってからでもぜひ読んでみてほしい本です。……動物園のことについても一度考えてみてほしいです。(2000/1/11)


 好奇心と想像力の面白さ

  中3の人が入試問題についての質問をしていて、
  「太陽は岩からできているんじゃないんですか?」
  「ちがうって。太陽はガスコンロの炎みたいなもので、気体のかたまりなの」
  「じゃあロケットで太陽の中を通り抜けようと思ったら、通り抜けられるんですね」
  「………!?」(太陽の中心部の温度は約1500万℃)
  思わず絶句してしまいましたが、よく考えてみればとても面白い発想です。
  こういうことを思いつく好奇心は、おそらく将来この人にとっての「力」になるでしょう。
  山本もその時はあきれていましたが、色々言ってもらった方が
  こちらの勉強にもなるので、おそれず(?)言ったり書いたりしてみてください。
 


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