実力のつけ方


 中2(新中3)のクラス分けテストが終わりました。納得のいく結果が出せたでしょうか。
 高槻の人の点数を見ましたが、全体としてはかんばしくなかったように思います。
 こういう試験は、みんなにとってのテストでもありますが、「教師がどれだけうまく教えられたか・生徒の学力を伸ばせたか」を問われている、教師のテストでもあります。今回の結果を見て、今までの山本のやり方がうまくなかったのかなぁという気がして、少し落ち込んでしまいました。(みんなを責めているわけではないですよ)
 授業の進め方について、反省しなければならないようです。

 一昨年から、中2で統一テストの前に補習をしています。
 はじめはテストの後に、成績の悪い人を指定して「リターン補習」のような形でやっていました。そのうちテストの前に希望者参加で補習をするようになりました。その方がやる気のある人が来るし、テストの点がよくなるので励みにもなると思ったからです。
 実際、補習を始めてから成績の上がった人もたくさんいるし、補習をすることについて不満を言われたことはありませんでした。補習をするのがしんどいと思ったこともありません。
 しかし 長い目で見たとき、補習でテストの点が上がることと、本当の実力がつくことは、同じではないような気がします。以前より入試の実績や全体の学力が上がったと言い切れないのです。

 山本は小さいとき喘息持ちで、よく医者に行きました。小学校に入る前にかかっていたお医者さんは、よく注射を打つ人でした。おしりに注射を打つと、喘息の発作はスッと治まるのでした。
 小学校に入ってから、別のお医者さんにかかるようになりました。おじいちゃんのようなその先生は、ほとんど注射をせず、体力をつけて体そのものを根気よく丈夫にしていくように、山本に言いました。後で母から聞いたのですが、そのお医者さんは
「注射を打てば症状はよくなるが、そのうち体がボロボロになってしまう。時間がかかっても、そもそも喘息にならなくてすむように体力をつけないと、この子のためにはならない」
と言ったそうです。今から考えれば全くその通りで、山本がこうして元気に仕事をしていられるのは、そのお医者さんのおかげです。

 テストで出そうなところを補習で集中的に練習すれば、テストの結果がよくなるのは当然です。でも、それで学んだ内容がしっかり頭に残るとは限りません。その場しのぎの勉強になって、テストが終わると中身を忘れてしまう人もいるでしょう。それでは今回のクラス分けテストのような、本物の実力テストには太刀打ちできません。
 むしろ補習などせずに、自分でどう復習するか考えながら、家で勉強する練習をしてもらう方が理想でしょう。自分で勉強していく力をつけないと、高校入試まではごまかしきれても、大学入試はとても乗り切れないし、長い人生のためにもなりません。
 補習がよくないということではありません。中3の試験対策など、どうしても必要な補習もあると思います。ただ補習の仕方など、今のやり方でいいのかどうか、一度考えてみる必要がありそうです。またみんなの意見も聞かせてください。

 結局、普段の授業で十分な力をつけられていないことが、一番の山本の責任であるわけです。
 授業で手を抜いているつもりはないし、チェックシートなどでみんなの考えも少しはわかってきているのだけど、宿題の出し方やチェックが雑になることはあります。「説明は板書が速い」というのもよく聞きます(これは昔からの悪いクセ)。授業の中でもっとみんなの集中力を引き出すようなうまい方法も考えたいし、何より「面白い、興味の持てる」内容を考えないといけない(余談も多すぎ? ……みんなはどう思いますか)
 今年度はあと1ヶ月あまりですが、付け焼き刃でない、本物の学力をつけてもらえるような授業・勉強の指導について、工夫していきたいです。シャーベットやイチゴアメばかりして、成績が上がらない……と言われたくもないし。がんばりますです。(2000/1/25)


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