オトナになるために


 いよいよ本番が近づいてきました。金曜日から私立高校の入試が始まります。
 ここまで中3の人は、授業や講習や家での勉強など、ずいぶん努力してきたと思います。
 あとは今までやってきたことを、試験場でそのまま出してほしいと思います。

 昔と比べれば私立高校は入りやすくなっています。おそらくほとんどの人が受かるでしょう。
 しかし試験である以上、落ちる人もいます。もし失敗したら……
 この塾にいた時間やお金はムダになってしまうのでしょうか。
 みんなはどう思いますか。

 人間がオトナになっていくためには、いくつかしなければならないことがあるでしょう。友だちといっぱい遊ぶこと、感動して涙を流すこと、恋をすること(失恋も)、自分や他人のいいところを見つけること、などなどなど(もちろん勉強も)。
 これからみんなが生きていく中で、思う通りにならないことはたくさんあります。そこでどうするか。自分の本当にしたいことを選んで、何をどれだけがんばるか、どこで勝負するか。そんなことを考えるのも、オトナになるために必要な経験です。
 高校入試をそういう「自分と向き合って勝負する場」だと思ってくれたら、結果がどうであろうと、ここまでやってきたことはムダではなくなると思います。
 あと2ヶ月すれば、みんな高校生になります。この試験の結果で人生が決まるわけではありません。どんな高校に行っても、そこでもう一度自分の勝負をしていくことができます。よけいな心配をせず(と言ってもムリでしょうか……)自分の力を精一杯出す練習だと思ってぶつかってほしいです。
 京大アメリカンフットボール部の水野監督の言葉を、みんなに贈りたいと思います。
 「選手によく言うんですが、ベストは尽くすもんじゃなく、越えるもんやと。ここで戦うしかないという瀬戸際に立たされて、はじめて自己認識ができる。また、それを越えることで、自分の知らない自分を発見できる。人生観、世界観が変わる。そういうことを追求する姿勢が、ぼくは知性やと思うんです」
 健闘を祈ります。私立専願の人は、合格したら顔を見せに来てくださいね。(2000/2/1)


通信の一覧に戻る

最初に戻る

inserted by FC2 system inserted by FC2 system