これでいいのかなあ

 今年から公立の学校は土曜日が全部休みになりました。授業時間が減った分、授業で学ぶ内容も少なくなりました。中1・中2の人は新しい教科書で勉強していますが、前と比べてずいぶん内容が少なくなっています。
 理科の教科書を書いた人が、こんなふうに言っているのを聞きました;
 「これくらいの内容は(必要だから)書いてもいいだろうと思っても、文部科学省の人から『これは難しすぎますから削ってください』と言われて、しかたなく削った」
 前の教科書とくらべると、カラーの図が増えてきれいになったり、新しい科学技術の紹介もされていますが、詳しい資料や理屈の説明が減った感じがします。たとえば電池の実験や新しい電池の話はのっているのに、なぜ電流が流れるかの説明は書いてありません。これでは深く理屈を突き詰めて「わかった」という気持ちになるのは難しいでしょう。

 むやみに難しいことを教えるのはよくないけれど、わかるために必要なことを避けるのはもっとよくないように思えます。濃度や密度の計算の式を教えないからといって、ものの理屈がわかりやすくなるわけではありません。種子をつくらない植物についてきちんと学ぶ方が、種子植物のこと(種子をつくる意味)がより深くわかるはずです。
 中学校の先生もそのことを考えているようです。古い内容(新しい教科書にのっていないこと)を教えている学校も少なからずあります。学校によって教え方が違うのは塾としてはやりにくいのですが、今年はそういう事情でしかたないなあ、というところです。
 ただ授業時間数が減っているのはどの学校も同じなので、去年までと同じ内容を少ない時間で教えようとすれば、どこかに無理がくることになります。特に中3の理科は去年までよりだいぶ授業時間が減っているので、古い内容でやるのは生徒にとっても大変なはずです。みんなの学校がどうなっているのか、心配しています。

 もう1つ気になるのは、学校によって教える中味が違っていいのかということです。住んでいる場所が違うだけで学ぶ内容が変わるというのは、どうも山本には不公平に思えます。生徒や保護者と学校が話し合って「こういうやり方でいこう」と決めるのならいいのですが、そういう話も聞きません。みんなはどう思いますか。
 また、小学校や中学校で学ぶ内容は減っているのに、大学入試の問題のレベルはあまり変わらないので、高校に入ると一気に勉強の内容が増えることになります。しかも公立高校も授業時間が減るので、かなり詰め込みをすることになります。夏休みの特訓や補習をする高校が増えているようですが、すべての高校がそうしているわけではありません。つまりしごく高校とそうでない高校で、学力の差が今まで以上に開くことになります。これがいいのか悪いのかよくわかりませんが、どちらにしても高校でだいぶ努力しないと追いつかなくなることはたしかです。高校に入ったからといって安心できないのです。

 みんなはこれからの世の中をしょっていく人間です。研究者にならなくても、大学に行っても行かなくても、世の中を支えていく科学(理科)のことを知っていく必要があります。せめて高校の間に、科学のおおもとの考え方、理屈のたて方をつかんでいってほしいです。山本の授業がそのための力に……なるといいのだけれど。とにかくがんばります。(2002/11/4)


 先週の「かぜ」

   月曜の夕方、授業の準備をしてと悪寒がしてきました。熱をはかると37.5℃。
   塾の教師は休みにくい仕事で、かぜをひいたからといって
   すぐ帰るというわけにもいきません。薬を飲みマスクを買ってきて授業に出ました。
   ……とにかく無事に終わってよかった。

   以前歌の先生が
   「かぜにかかったらとにかくうがい。30分続けてうがいをする。そうすると絶対治る」
   と言っていたのを覚えています。山本もよくうがいをします。
   もう1つ、熱が上がったときには「足湯」をします。
   思い切り厚着をして、熱めのお湯を洗面器に入れて、
   足首まで10分くらいお湯につけると、全身から汗が出てきます。
   その後体をよく拭いて暖かくして寝ると、たいてい一晩で熱が下がります。
   (これは誰にでもきく方法ではないので、安直にやらないでください)
   3年生はこれから大切な時期です。くれぐれもかぜには気をつけてね。
 


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