疑うことのすすめ

 先々週になりますが、木曜日の授業前の補習で、プリントの問題を解いている人が
 「先生、プリントの答が違っていると思うんですけど……」
 「ここの答も何となくおかしいんですけど……」
 山本の作ったプリントの解答がまちがっていて、たくさん訂正をしました。さすがにちょっと恥ずかしかったです(寝ぼけて答を作ったか?)。まちがいを教えてくれた人、本当にありがとう。「他の人にもちゃんと知らせないと」と言ってくれた人、さすがやね。すばらしいです。
 山本はプリントや解答をたくさんつくるので、解答や問題のミスもけっこうあります。そういうときにまちがっているところを見つけて教えてくれる人がいると、とても助かります。何よりまちがいを見つけるのは、とてもいい勉強にもなります。

 みんなは「教科書に書いてあることにまちがいはない」と考えているかもしれませんが、そんなことはありません。
 たとえば質量保存の法則というのがあります。4gの銅は酸素1gと結びついて5gの酸化銅になりますが、このとき4+1=5という式が成り立つというのが「質量保存の法則」です。意味としてはわかりやすいし、当たり前のことのように思えます。
 しかし本当はそうではなく、厳密に言うと4+1=5にはなりません。このことを発見したのは、「相対性理論」を作り出したアインシュタインという人です。彼は、それまでに行われていた色々な実験の結果から考えて、物質がエネルギー(この場合は熱)を出すと重さ(質量)がわずかに減るのではないかと考えました。後になって実験によってそのことが確かめられ、質量保存の法則は厳密には成り立たないことがわかったのです。
 昔のヨーロッパでは、キリスト教の教えに基づいて『地球は宇宙のまわりにあって、太陽や月や星はすべて地球のまわりを回っている』(天動説)と教えられていました。しかし実際に星を見ると、天動説ではうまく説明できない現象が見つかります。そのとき「これはもしかして、天動説の書いてある本の方が間違っているのではないか」と考えた人がいました。その人たちは天体の観測を続け、とうとう『本当は地球が太陽のまわりを回っているのだ』(地動説)という大発見をしました。

 本に書いてあることをうのみにしていれば、こんな発見はできません。本当のことは本からではなく、実験や観察の結果でわかるというのが、理科(自然科学)の決まりです。

 今みんなが使っている教科書にも、まちがいがあるかもしれません。それはわざとまちがえているわけではなくて、今の科学では完全にわかっていない「多分こうだろう」ということが含まれているからです。教科書に書いてあるからまちがいない、という考えよりも、教科書に書いてあることを材料にして自分の考えを深めていこう、場合によっては教科書の内容も疑ってみよう、という方が、勉強の仕方としては正しいと思います。
 もちろん? 山本が授業の中で言っていることや、この通信で書いていることの中にも、まちがっていることがあるかもしれません。先生の言っていることだから正しいに決まっていると考えるより、「ほんまかいな」「そこのところはこうなんじゃないかなあ?」と疑いながら授業を聞いてみた方が、絶対いい頭の体操にもなります。
 テレビや新聞なども含めて、身の回りの意見を疑いながら読んでみる・聞いてみるというのを、考えてみるといいですよ。(2002/12/2)


 先週の「天気づくし」

   塾より先に学校で「天気」を習っている中2の人がかなりいるので、
   学校別の対策の他に、日曜の夜に90分授業をしました。
   月曜の平常授業でも湿度の練習をしたので、
   土・日・月と3日連続で山本の授業を受けた人もいます。
   日曜の授業は何人来るのかと心配していましたが、たくさん人が集まりました。
   90分説明しまくりで山本もヘトヘトになりましたが、
   聞いていたみんなも大変だったと思います。
   これがいい結果に結びつくといいのだけれど……。
   授業の後残っていた人と話しているうちに、みんなから元気をもらえたような気がします。
   中2の人も1学期と比べて、全体にやる気が出てきたようです。
   必要なこと、してほしいことがあれば、遠慮なく言ってみてください。
   山本のできる範囲で、手伝っていきたいと思っています。
 


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