変身する力を
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
最近は年賀状ではなく「年賀メール」をもらうことも増えてきました。
今年はなつかしい人からメールをもらいました。10年前、山本が別の塾にいた時に教えていた人です。当時彼は中3で、勉強はよくできたのですが、急に陽気になったり怒りっぽくなったり、なんというか情緒不安定なところがありました。無理をしていたところもあったようです。
その塾はけっこうハードスケジュールで、夏休みは1日8時間授業をしたり、1月2日から授業をしたり、生徒もこちらも大変でした。その分合格したときはみんなで泣いて喜んだり、春休みにみんなでボウリングに行って盛り上がったりしました。彼は最後の授業で「生徒代表」として、山本にお手紙をくれました。今でもとってあります。
彼は大学の法学部を卒業して、3回目の司法試験に合格し(これは優秀な方です)、今は弁護士になるための司法修習を受けているそうです。秋には晴れて弁護士になるそうな。
彼のメールを読んでいると、当たり前ですが随分オトナになったなあと思いました。ホームページものぞいてみましたが、司法試験に合格するためのアドバイスが書いてあって、役に立ちそうなものでした。
彼がここまで来るのには、色々な失敗や努力・経験があったでしょう。そういうものをくぐり抜けてきた彼の文章を見ていると、"変身"したなあという気がしました。
オタマジャクシがカエルになったり、ヤゴがトンボになったりするように、生きものの中にも"変身"(正確には『変態』)するものはいます。みんなの体も自然に大人へと変わっていくし、20才になれば誰でも法律上はおとなになれます。でも人間が成長してオトナになっていくというのは、そういうことだけではないでしょう。
人間が"変身"するというのは、それまでできなかったことができるようになって、新しい自分をつくり出すことだと思います。それは何も、弁護士になったり有名になったりすることではありません。野球で新しい変化球が投げられるようになったり、水泳で自分の記録を破ったり、弾けなかった曲が弾けるようになったり、今まで仲良くなれなかった人と仲良くなれるのも「変身」でしょう。また、わからなかった問題がわかるようになったり、今まで知らなかった世界を知ってものの見方が変わったりするのも「変身」でしょう。
山本は大学生のとき、いくつか忘れられない経験をして、ものの見方が大きく変わりました。そのときにはよくわかりませんでしたが、今振り返ってみると自分にとってとても大きな「変身」だったと思います。また教師としてみんなと接していると、人間の見方・とらえ方についても自分が少しずつ変わってきているのがわかります。人間は何才になっても「変身」できるのです。
自分の意志で自分を変えられることは、人間の最大の価値だと思います。山本はみんなが「変身」していくのを見るのがとても好きだし、自分自身がこれからどんなふうに変身していけるのか、今年一年でどれだけ変身したいか、ちょっとワクワクしながらたくらんでいます。
そして今みんながしている勉強が、テストの点数や入試だけのためのものでなく、将来みんなが自分のなりたいものに大きく変身するための「力」になってほしいです。(2003/1/6)
先週の「明けの明星」
1月2日の朝5時すぎ、年賀状を出しに外に出たら、
びっくりするほど明るい星が東の空に見えました。金星です。
そのときはちょっと落ち込んでいたのですが、
金星を見ているうちに元気が出てきました。
「こんな星を見られるなんて、運がいいのかもしれない」
金星はまだしばらく、夜明け前の東の空に見えます。
1月11日が一番よく見える日(最大離角)です。
朝早いですが、一度くらい早起きしてみるといいですよ。けっこう感動ものです。
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