塞翁が馬……かな?

 1ヶ月お休みしてしまいました。みんな元気にしていましたか?
 前からの病気もあるのですが、1〜3月の入試前にちょっとムリをしたせいかもしれません。病院にも行きましたが、半月くらい家でひたすら寝ていました。これだけ寝たのは生まれてはじめて。

 こういう機会もあまりないので、枕元に本を山積みして気が向くまま読みまくりました。『おそるべきさぬきうどん』『気のきいた話し方』『フラミンゴの微笑(生きものの進化についてのエッセイ)』『女の一生』『イラク(戦争の前のドキュメント)』など。疲れると『プロレススーパースター列伝』『コブラ』『よしえサン』などマンガも読みました。阪神ファンなので、今年は楽しく野球を見られるのもラッキーでした(今年は優勝するやろ)。
 お医者さんから「少しは家事もしなさい」と言われたので、久しぶりにご飯をつくったりしました。甘いもの好きなのでシフォンケーキを焼いて妻と食べたりしました。洗い物やらお風呂の掃除やら庭の草取りやら、……こんなことを毎日するなんて信じられん。絶対主夫にはなれないなあ。

 他の先生に仕事を任せて、こんなにノビノビさせてもらって申し訳ないです。正木先生、宮西先生、和田先生、吉田先生、本当にありがとうございました。いつかお返しします(ペコリ)。

 病気はいいことではないし、しんどいことも少なからずありますが、こうやって休むことで仕事を離れて頭を切り換えてみるのも、考えようによってはよかったのかもしれません。
 数年前 フル回転で働いていたときには、ニュースを見たり本を読んだりするヒマもほとんどなくて、目先のことだけに追われて、教師としての幅を広げることもできませんでした。
 家事をしたり、妻と一緒にギターを弾いたり、戦争や平和を考える集まりに行くのも、忙しい仕事の中に埋もれているとなかなかできないことです。
 また同じ病気で苦しんでいる人の話を聞くと、今まで自分の知らなかった世界をのぞくこともできました。何事も勉強……です。
 そうやって考えれば、他の先生には申し訳ないけど、今回のお休みは山本にとってプラスになるかもしれません。リフレッシュした分、今までより少しはましな授業をしたいとも思っています。(2003/7/1)

人間万事塞翁が馬 <じんかんばんじさいおうがうま>
 占いの得意な翁(おきな=おじいさん)が、国境の塞(とりで)の近くに住んでいました。
 ある日、その翁の馬が逃げ出して、北の地へ逃げてしまいました。
 周りの人々が「残念ですね」となぐさめると、翁は「いや、このことが福になるかもしれない」と言いました。
 それから数ヶ月後。なんとその翁が言った通りに、逃げた馬がもどってきました。さらに、すばらしい名馬も一緒に連れて帰ってきたではありませんか。
 周りの人々が「良かったですね」と、お祝いにいくと、翁は「いや、このことが禍い(わざわい=よくないこと)になるかもしれない」と言いました。
 翁の家には名馬が増え、翁の息子は乗馬が大好きになっていきました。
 そしてある日、翁が言った通りに、息子が落馬して脚を骨折する重傷を負ってしまいました。
 周りの人々が「かわいそうなことになりましたね」とお見舞いにいくと、翁は「いや、このことが福となるかもしれない」と言いました。
 それから1年後、戦争が起こりました。近くの若者の10人のうち9人までが死んでしまうような悲惨な争いとなりました。ところが息子は落馬のせいで足が悪かったため、兵役に出ることはなく無事でした。
 やはり翁が言った通りになったのでした。
 ※運命の吉凶(よしあし)は予測できないという、中国のことわざ。
英語では Bad luck often brings good luck.(悪い運が幸運を持ってくる)


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