どうしたらいいかねぇ

 中2数学の1次関数はなかなかわかりにくいところで、手こずっている人が多いようです。テスト対策で問題を解いていても、手が進まない人がいて大変そうです。
 この間の木曜はテストの直前でもあり、ちょっと厳しい突き放したような言い方をしてしまいました。あの言い方がよかったのかどうか、自分でも少し反省しています。もっといいやり方があったかもしれない。でも……

 みんなには違う意見もあるかもしれませんが、勉強について山本の考えを書いてみます。

 ここは塾ですから、入試のために勉強する部分はたしかにあります。学校のテストや入試でいい点をとってほしいと思っているし、普段そういう言い方もしています。でも勉強がそれだけのためのものだったら、ずいぶんつまらない話だし、みんなもイヤになってしまうでしょう。
 チェックシートを見ていると、「グラフをかくのが楽しい」「今日は電流の計算がわかって面白かった」という文が時々あります。勉強がわかる・問題が解けるのは、どんな人にとっても楽しいことだと思うのです。学校や塾でそういう経験をたくさんできる人は、幸せです。

 山本は中学生の頃、数学が好きでした。学校の授業はつまらないので、自分で難しい問題集を買ってきて解いたり、図書館で数学の本を読んだりしていました。数学の難しい問題を解くのは、ヘンなたとえですが"切れ味のいい刀で相手をスパッと切る"ような感じです。とっても気持ちいい。難しい問題ほど時間がかかります(一週間考え続けたこともあります)が、解けた時のうれしさも格別です。今でも春になると京大の入試問題を解きますが、年のせいか"切れ味"が鈍ってきて、解けた時のうれしさもちょっぴり減ってきました。
 こういう楽しさはどんな科目にも、もちろん勉強以外のことでもあるでしょう。おいしい料理をつくる時の楽しさ、スポーツの楽しさ、音楽の楽しさなどなど。すべてに共通しているのは「基本をマスターしないと、本当の楽しさはわからない」ということです。ボールのけり方を知らない人は、サッカーがうまくなりません。だしの取り方や包丁の使い方を知らない人は、本当においしい料理をつくれないでしょう。
 みんながしている勉強の半分は、そういう「本当の面白さを知るための基本の練習」です。ノートをきちんと書けること、計算がきちんとできること、基本的な言葉の意味を覚えること、これらは"勉強の本当の楽しさ"を味わうために必要なのです。(残りの半分は……いつか書きましょう)

 実際のところで言えば、学校のテストがあまりかんばしくなくても、偏差値の高い学校に入らなくても、オトナになって困ることはありません。でもノートをきれいに見やすく書く力、仕事に必要な言葉の本質的な意味を覚える力は、どんなオトナになろうと、まちがいなく未来のあなたを支えてくれます。それだけは覚えておいてほしいのです。

 もう1つどうしてもお願いしたいのは「わからない時は質問する」ということです。これも塾の仁義みたいな意味ではなくて、質問する力がオトナになってから必ず役に立つからです。
 自分の頭の中を見直して、どこまでわかっていてどこがわからないかを確認し、わからないところを「わからない」と言って質問するのは、意外に大変な作業です。本当にかっこいい賢いオトナは例外なくこれができます。みんなにもその力を身につけてほしいのです。(その場で質問できない時は、チェックシートに書いてください。そのために書いてもらっているんですよ)

 問題がわからなかったりまちがえたりするのは、悪いことではありません。勉強がわからないのはみんな自身のせいとは限りません。問題はわからないことではなくて、わからないことを放っておくこと、あきらめてしまうことです。もちろん完璧は無理だとしても、せっかく塾に来ているのだから、少しでもたくさんわからないところをわかるようにしてほしいのです。
 仮に勉強をさぼっているせいでわからないのだとしたら、そのこととも逃げずに向き合ってください。いいとか悪いとかではなくて、自分のしていることをきちんと見て認めることも大切です。自分のことがよくわかっている人は、本気になれば学校の勉強くらいできるようになります。

 お説教めいたことをたくさん書いてしまいましたが、なんとかこの塾でいい時間をすごしてほしいと思っています。ぜひ"点数以上"のものをここで得てください。……お願いします。(2003/10/19)


 先週の「ギター」

   連れ合いのエイコさんが3年前からフォークギターを習っています。
   来年1月に発表会があって練習しているのですが、
   2人で弾いた方がいいというので、つきあって一緒に弾くことになりました。
   ギターなんてほとんど弾かないし、まともに練習したこともないので、大変です。
   歌のハモりもしたいのですが、まだそれどころじゃない。10分も弾くと手が痛い〜〜!
   勉強で苦労しているみんなの気持ちが、少しわかるような気もします。
   山本は歌唄いで、中3の卒業卒業祝賀会でお祝いの歌をいつも贈っています。
   みんなにも歌ってあげられると……いいなあ。
 


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