あこがれの各駅停車
あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
年末のテレビで『徹子の部屋』を見ていたら、見城慶和さんという夜間中学の先生が出ていました。10年ほど前の「学校」という映画(山田洋次監督)のモデルになった人です。
夜間中学とは、何かの理由で中学校で勉強できないままオトナになってしまった人が、勉強し直すために入る学校です。日本全国で35校、大阪には全国で最多の11校があります(吹田・高槻にはありません)。
番組の中で、見城さんがこう言っていたのが印象的でした。
「今の学校は特急列車みたい。ついてこられない子どもはどんどん振り落とされる。生徒のことを考えるなら各駅停車でいい。夜間中学は各駅停車なんです。たくさんの人にそのことを知ってもらいたい」
この言葉を聞いてしばらく考え込んでしまいました。
夜間中学とは、決まった年齢になったからとか、みんなが行っているからとか、高校入試のために行くところではありません。もちろん中学を出てから高校に入る人もいますが、本当の目的は別のものです。自分の名前を書けるようになりたい。手紙が書けるようになりたい。買い物の計算ができるようになりたい。世の中のことがもっとわかるようになりたい。そういう「よりよく生きるための知恵」を身につけるために学校に来ている人が多いのです。
ある研修会で、神戸の夜間中学の先生と話す機会がありました。その学校に通う生徒は60代のおばあさんが多くて、先生のお母さんくらいの年の人に教えているのだそうです。生徒さんがとても素直で熱心で「こういう人たち相手だといい加減には教えられない。私が生徒さんに何かを教えてもらっているようです」と言っていました。
山本にはひとつ夢があります。『入試やテストがなくても生徒が勉強をしに来てくれる、そんな勉強の場を作りたい』。今の自分の力ではまだほど遠いけれど、入試や卒業証書なんかに関係なく『面白いから、役に立つから勉強したい』という人のための授業をいつかしたい。そんな夢がかなう場所があるんだなあ、と思います。
もちろんいいことばかりではないし、みんなの通っている学校ではないような苦労もあるはずです。それでも山本はこの学校に惹かれてしまいます。
本当は、昼間の学校と夜の学校を今のように分ける必要なんてないのかもしれません。どちらでも行きたい方に行けるようにして、色々な人が混じって勉強できれば、得るものがたくさんあるでしょう。60歳のおじいちゃんが「どうしても勉強したい」といってある塾に入ったら、周りの子どもたちにもとてもいい刺激になった、という話もあります。ここ何年かで入試や学校制度が少しずつ変わってきていますが、そういうこともできるように、学校のあり方が変わってくるといいなあと思います。
山本の家の近所(守口)にも夜間中学があります。今年は勇気を出して見学に行って、できるならボランティアで手伝ってみたいなあ、と思っています。
夜間中学の先生がつくっているホームページ「星空の学校」
http://members.aol.com/yshmuto/hoshizora/
夜間中学のドキュメンタリー『こんばんは』の紹介
(今のところ関西では上映予定がありませんが、機会があれば見てほしいです)
http://konbanwa.web.infoseek.co.jp/text/info01.html
(2004/1/5)
先週の「バイト」
年末のある日、S校の近くのダイエーで買い物をしていると、突然
「先生ーー!」
以前教えていた高校生がDバーガーを売っていました。
思わずコロッケバーガーを買ってしまいました(弱いなあ)。
次の日、Dの前をなんとなく避けて
(また買わされるのはさすがにちょっと)ダイエーに入ろうとすると、
今度はMで別の教え子が働いているのを見つけてしまいました。
……ホントはハンバーガーはあんまり好きじゃないのに……などと思いつつ、
結局またチーズバーガーとベーコンレタスバーガーを買ってしまいました。
まあお金もほしいだろうけど、金もうけはどうせ
オトナになってからイヤというほどするのだから、
今しかできないことをたくさんやってみてほしいんだけどねぇ……
まちがっているでしょうか?
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