学歴ってなんやねん
昨年の選挙で当選し衆議院議員になった古賀潤一郎氏(民主党)が学歴をいつわっていた、として問題になっています。アメリカのペパーダイン大学卒業と公表していたのに、実際には単位が足りなくて卒業していなかったり、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に在籍していたと言っていたのに、実際には授業を受けていなかった、という話です。
古賀議員ははじめは「ウソをついていたら議員を辞める」と言っていたのに、今は「民主党を離党するが、国会議員は続ける。議員報酬は受け取らない」と言っています。なんだかおかしな話です。
ところで、どうして選挙の時に"学歴"が出てくるのでしょう。
議員になるのに一番大切なのは「当選したらこういう世の中にします」という約束(公約)です。その公約を守る力があるかどうかが、議員に一番必要な力だと思います。そういう力と、どんな学校を出たかということには、本当に関係があるのでしょうか。
会社に就職するとき履歴書というものを書きますが、そこには自分がどんな学校を出てきたかを書くことになっています。それは『どんな学校を卒業したかが、その人の能力に関係がある』ということでしょうか。『英検1級』とか『教員免許取得』とかいう資格であれば、その人の能力を表していると言えるでしょうが、卒業した学校そのものがその人の能力を表しているとは言えないでしょう。
山本のいた京都大学は、いわゆる偏差値ではトップクラスですが、そういう学校の学生がすべて猛勉強しているわけでも、性格がよいわけでもありません。京大はもともと非常にいいかげんな大学で、山本もそんなに勉強しませんでしたがちゃんと卒業できました。パチンコにはまったり、焼鳥屋のバイトに明け暮れている人もいました。ノーベル賞受賞者も多いけれど、自殺者も多いです(ホントです)。入るのが大変な学校だからといって、その学校できちんと勉強して実力をつけられる保証は、日本の大学にはないのです。
この塾は京大出身の人がつくったのでそういう名前になっていますが、これも一種の学歴自慢でしょう。塾の先生には色々な大学の出身者がいますが、山本の知る限り、大学の偏差値と教師としての能力には全く関係がありません。この塾で一番うまい数学の先生も一番熱心な国語の先生も、京大卒の人ではありません。
山本が"学歴"を実感したのは、京都のある会社の就職試験を受けたときです。入社が内定した人たちが集まって健康診断を受けたのですが、そのとき
「君も京大なんですか、どうぞよろしく」
「君は京大の何年卒なんですか?」
としきりに聞かれました。そんなに大学の名前が気になるんかい…… なんだか気味が悪くなり、結局内定を断ってしまいました。(もったいなかったかな?)
学校の教師になった時も、大学の先輩にあたる先生から「飲みに行こう」と誘われました。どうも学歴というのは、同じ学歴を持った人のつながりを深めるためのもののような気がします。実際、同じ大学出身の人だと商売の話が進みやすいという話もよく聞きます。就職などでも、同じ大学の先輩の紹介というパターンが多いようです。
学歴があれば人に自慢できるかもしれない? し、現実問題として就職などで有利なこともあります。しかし学歴だけで世の中を渡っていけるわけではありません。本当にやりがいのある仕事をして人生を楽しんでいくためには、本物の自分の力をつけていかなければなりません。世の中の仕組みをわかる力、生きるために人と助け合う(働くとはそういうことです)力、自分と他人と自然を愛する力…… 今みんながしている勉強は、その力を培うためのものです。学歴はオマケに過ぎません。
そうやって考えれば、就職の履歴書や選挙公報に学歴(オマケ)をのせること自体がおかしいと思います。古賀さん自身がこのことについてどう考えているか聞いてみたいところです。みんながオトナになるまでに、学歴でなく本当の本人の力で選挙や就職が決まるようになってほしいですね。(2004/2/1)
先週の「派兵」
イラクに自衛隊が派遣されることになりました。
日本の法律では自衛隊は軍隊ではないので"派兵"ではありませんが、
イラク占領軍のホームページには「兵力を提供している国」の中に
日本があげられています。外から見れば派兵でしょう。
平和主義の憲法を持っている日本で、事実上の軍隊を戦争中の国に送り出すことは、
賛成か反対かを別にしてとても大きな問題です。
しかし国会での審議(話し合い)は短い時間で、
夜中の審議で小泉首相が居眠りしている場面もありました。
民主党など野党との話し合いもうまくいかず、野党のいない状態で強行採決しました。
話し合いの見本としては失格です。
自衛隊の人たちの安全を願う声が多いですが、
山本はむしろ自衛隊がイラクの人を撃たないことを祈りたいです。
どんな理由があっても、アメリカのイラク攻撃を支持した日本の人間が、
イラクの人々を傷つけることは絶対に許されません。
戦争はどんな理由を並べようが『人殺し』です。
自衛隊が日本の法律通り、絶対に武器を使わず、
軍隊でなく人助けの組織としてはたらいてほしいです。
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